この間、講師や受講生のトーク、翻訳大会など、オンラインならではのイベントも実施してきましたが、今年、5年ぶりの対面イベントを実施することになりました。
中華料理屋さんでの翻訳大会発表、そして食事会です。久しぶりにお会いする方、(この間オンラインだったので)初めて直接お会いする方がいらっしゃり、どこでも話がはずみ、とても楽しいひと時となりました。
映像翻訳大会の水野衛子先生の講評として印象的だったのは、文章をきちんと終わらせていない字幕が目立った、というお話でした。例えばですが、
「私が行くとでも?」
「最終決断を」
こういった字幕ですね。先生によると、そういった字幕も見ないことはないけれど、これはするべきではないとのことでした。
韓国語にすると、
내가 갈 거라고?(ネガ カr コラゴ)
최종 결단을(チュェジョン キョrタヌr)
などになりますかね。きちんと文章を終わらせるなら、
내가 갈 거라고 생각해?
(ネガ カr コラゴ センガッケ?/私が行くとでも思うの?)
최종 결단을 부탁합니다.
(チュェジョン キョrタヌr プタッカmニダ/最終決断をお願いします)
になるでしょうか。
受講生ですでに翻訳者として活躍されている方がおっしゃっていたのですが、「字数がオーバーするときはつい使ってしまうんですよね」と。
本当に字数制限さえなければ苦労はないんですが、それが映像翻訳の世界。1秒4文字に納めなければいけないのです。
例えばですが、「私が行くとでも思うの?」「最終決断をお願いします」の字数制限がそれぞれ6文字くらいだったらどうするでしょうか。
「行くわけない」
「決めて下さい」
んん?「下さい」は「ください」にしないといけないかも…!
あ、「かも」で終わってはいけないかも…しれません!
ということで、エンドレスの字幕翻訳……。その奥深さと楽しさを噛みしめながら、充実感いっぱいで帰途につきました。
それでは、また来週お目にかかりましょう。 안녕히 계세요!
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- <著者:幡野 泉>
アイケーブリッジ外語学院代表。「All About 韓国語」ガイド。 早稲田大学第一文学部卒業。延世大学校韓国語学堂6級修了。同韓国語教師研修所第20期修了。2008年 韓国雄弁人協会主催「第13回世界韓国語雄弁大会」にて統一部長官賞受賞。16年の第21回同大会において国務総理賞受賞。著書 『すぐに使えるシゴトの韓国語』 (アルク)、『シゴトの韓国語 基礎編』 『シゴトの韓国語 応用編』(三修社)、『リアルな日常表現が話せる! 韓国語フレーズブック』(新星出版社)など。翻訳書に『無礼な人にNOという44 のレッスン』(白水社)がある。
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