会談前に談笑する双方代表団(写真共同取材団)=8日(聯合)
会談前に談笑する双方代表団(写真共同取材団)=8日(聯合)
板門店で8日から始まった第5回南北将官級軍事会談で、北朝鮮は黄海上での衝突防止と経済協力のための包括的な軍事保障措置を討議したい考えを明らかにした。

 韓国の文聖黙(ムン・ソンムク)代表は午前の会議終了後に会見し、「韓国は列車試運転をはじめ、鉄道・道路通行に伴う軍事保障問題を優先的に協議しようという立場を強調した」と説明した。これに対し北朝鮮は、黄海上での衝突防止や共同漁労の実現、鉄道・道路通行と列車試運転も含めた双方の経済協力に関連する軍事保障問題も一緒に協議しようと主張したという。

 これに先立ち、北朝鮮団長を務める金英徹(キム・ヨンチョル)朝鮮人民軍中将は、「列車試運転に関する問題だけ討論するというようには強調しなかった。明確に申し上げる」と述べている。会談の議題が、列車試運転のための軍事的保障合意書に関する議論に限定されないことを示したものと受け止められる。特に北朝鮮代表団のうち海軍大佐を指して「実務的な問題を処理する実務団長」とし、黄海上の衝突防止、共同漁労水域の設定など根本的な問題の話し合いにおいて重要な役割を担当すると紹介した。黄海の北方限界線(NLL)に代わる海上境界線の設定問題を取り上げるため、北朝鮮が綿密に計画を立ててきたことがうかがわれる。

 北朝鮮は第3回、第4回の将官級会談でもこの問題にこだわっている。列車試運転と鉄道・道路通行に必要な軍事的保障合意書の締結と引き換えに、NLLを無力化し新たな海上境界線を設定することに重点を置いているとみられる。

 非武装地帯(DMZ)と軍事境界線(MDL)通過の鉄道・道路を利用した車両と人の往来に必要とされる、軍事的手続きを盛り込んだ文書を準備するのは、さほど難しいことではない。韓国政府関係者は、合意書に往来時間や互いに通告する方法、MDL近くに配置する兵力と銃器携帯問題などを定め、「文書交換」形式で締結するのも可能だとする。それにもかかわらず北朝鮮が数度の会談でこれに対する意志を示さないのは、北朝鮮の立場を貫こうとする意図にほからないとの指摘も少なくない。

 韓国が重点を置く軍事保障合意書の締結、北朝鮮が求める黄海上の境界線設定問題が別々に扱われることになれば、17日に実施予定の列車試運転に関し軍事的保障措置が取られる可能性は低いという悲観的な見通しも出ている。

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