【ソウル20日聯合】米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げ付き問題から景気沈滞が世界に拡散する兆しを見せるなか、国内の民間シンクタンクは相次ぎ、これに連動して韓国経済もスタグフレーションに陥る可能性があると警告している。
 韓国銀行が19日に明らかにしたところによると、インフレ先行指標となる原材料物価は、原油価格の高止まりと穀物価格の急騰などで、2か月連続で45%以上の上昇を記録している。これが時差を置いて消費財にも反映され、消費者物価を引き上げることが予想される。景気の沈滞に対する懸念が膨らみ、物価が統制範囲を超える「低成長・高物価」も現実味を帯びている。

 サムスン経済研究所は、ドル安とグローバル流動性の増加で国際原材料価格が急騰し、1990年代以降沈静していたインフレが再現され、世界景気は「弱いスタグフレーション」の様相をみせるだろうと予測している。この延長線上で、韓国経済もスタグフレーションに陥る可能性があると懸念を示す。現代経済研究院も、高物価のなかでの成長沈滞でスタグフレーションが発生する可能性に備え、内需再生を急ぐ必要があると指摘している。

 ただ、指標上では、韓国経済がスタグフレーションに陥ったと見るのは時期尚早だという分析が支配的だ。どの水準でスタグフレーションと判断するかという公式な定義はないが、韓国のように、先進国に比べ高い成長率を維持している国の場合、国内総生産(GDP)成長率が潜在成長率(4.5%)以下または3%台を記録した場合に、沈滞とみなされる。

 LG経済研究院では、第1四半期の成長率は5%を超えると予想されるため、判断はまだ早いとしているが、下半期に米国経済と世界経済がさらに困難な局面に入り、輸出が鈍化し内需回復の基調が崩れた場合には、韓国経済がスタグフレーションに陥る可能性は排除できないと警告する。

 スタグフレーション回避のためには、政府が成長と物価安定の間でバランスを取り内需再生に力を入れる必要があるとの指摘だ。LG経済研は、新政府は6%成長を目標に掲げているが、成長に執着するよりも、成長と物価安定のバランスを取るべきだと主張している。政府がウォン安維持の方針を示したところ、ウォン・ドル相場が短期間で1ドル=1000ウォンまで急落したが、これは物価安定よりも成長を優先するという政策の一環とみられると懸念を示す。韓国開発研究院も、物価が上昇を続けるという期待心理が広がるのを防ぐことが重要だとみている。政府が物価安定の意思がないことを反映すれば、通貨政策が無力化し生産コストが上がり、物価はさらに上がる悪循環が繰り返されると強調する。

 一方で、物価は放棄し、経済再生に注力すべきとの主張も出ている。現代経済研は、原材料価格の値上げからくる物価の上昇は防げるものではなく、むしろ景気を活性化する内需を再生するほうが効果的だと話している。

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