両国関係の格上げに伴い、経済分野だけでなく政治、外交、安保、国防など全分野にわたり実質協力が大幅拡大されることになる。これに関連し、両首脳は外交当局間の第1次官級戦略対話を開催し、軍人事および軍事技術交流など国防分野の交流・協力を持続的に発展させていくことを決めた。また、2010年の韓ロ修好20周年記念行事推進を機に両国関係がさらに強化されるとの意見を同じくし、これを重大行事として記念することを決めた。両国民間の人的交流拡大に向け、ビザ発給の簡素化など法的基盤を設けることにした。
李大統領は会談で、相生共栄の南北関係発展に向けた韓国の努力を説明し、北朝鮮核事態の解決に向けた6カ国協議でのロシアの建設的な役割を支持した。メドベージェフ大統領は、南北対話は朝鮮半島平和と安定における重要な要素だと強調した。
両首脳は特に、両国国営ガス会社の韓国ガス公社とガスプロムを通じ、早ければ2015年からロシアの天然ガスを韓国に導入する内容の了解覚書を締結。これに向け、北朝鮮を経由したガス配管設置の共同研究を進めることにした。李大統領は、ロシア産のガス・鉱物資源などの効率的な輸送に向け、ウラジオストク周辺に港湾開発用地をロシア側が提供すれば韓国が開発を行うとの考えを伝えた。また李大統領は、半分に減った北洋のタラ漁獲割り当て量を過去水準の4万トンに戻すことを求めた。一方、メドベージェフ大統領は韓国側に自動車合作生産の推進を提案した。
これとともに、貿易自由化に向けた措置の検討と、韓国とロシアはもちろん第三国でのエネルギープロジェクト共同推進なども決めた。さらに、極東シベリア地域の共同開発に対する韓国企業の参入に向け、韓ロ経済科学技術共同委員会を通じ、必要な事項を協議していくとした。また、韓国はロシアの世界貿易機関(WTO)加入を支持し、ロシアは地下資源に対する韓国の公開競争と入札への参加、石油・ガス科学団地の建設とロシア極東地域の液化ガス基地建設参加を歓迎した。
このほか▼両国首脳間の相互訪問と緊密な交流▼先端技術分野と極地研究を含む科学・技術分野協力強化と大規模プロジェクト推進▼韓国の小型衛星発射体開発をはじめとする両国間宇宙分野協力の拡大▼文化・学術・青少年・スポーツ分野での交流拡大▼ロシアの国際ウラン濃縮センター構想に対する協力模索▼朝鮮半島縦断鉄道とシベリア横断鉄道連結事業の推進▼国際機構と汎世界的イシューに対する共助強化と共同対処▼知的財産権の保護推進▼両国間経済・通信協力への中小企業の積極参入――などにも合意した。
李大統領は会談後の記者会見で、「ロシアの天然ガスをパイプラインで朝鮮半島に供給するほか、韓国の鉄道とシベリア鉄道を連結し、極東ロシア港湾開発などを実現する方案を模索することを決めた」と紹介した。一方、メドベージェフ大統領は、朝鮮半島縦断鉄道とシベリア横断鉄道の連結など共同事業を進めることに関心を持っていると述べたほか、「南北間の政治、経済、人道的接触が継続することを望み、特に2007年の南北首脳会談で合意した通りになることを願っている」と述べた。
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