【ソウル9日聯合】有害物質メラミン問題で食の安全に対する懸念が広がるなか、世界最悪水準の国内農薬・畜産物抗生剤乱用の実態が、いまだ改善されていないことが明らかになった。
 農林水産食品部が9日に国会に提出した国政監査資料によると、韓国の昨年の1ヘクタール当たりの農薬使用量は13.1キログラムで、前年の12.9キログラムよりも増加した。エコ・有機農産物志向の消費者が急増しているにもかかわらず、韓国の農薬使用量は2001年が12.7キログラム、2002年が12.8キログラム、2003年が12.7キログラム、2004年が13.0キログラム、2005年が12.8キログラム、2006年が12.9キログラム、昨年が13.1キログラムと、少しずつ増加の傾向にある。

 国連食糧農業機関(FAO)が集計した経済協力開発機構(OECD)加盟国の年間平均農薬使用量(1990~2003年)で比較すると、韓国は2001~1007年が12.4~13.1キログラムで、2位のオランダ(8.00キログラム)に大きく差を付け29カ国中1位となっている。合同27位のノルウェー、カナダ、フィンランド(0.60キログラム)の20倍を超える使用量だ。昨年の韓国での使用量13.1キログラムから、環境配慮型農資材に分類できる機械油剤や生物農薬などを除いても10.8キログラムと、やはりオランダとの差は大きい。

 農水産食品部関係者は、他国との差が大きすぎるためFAO統計に間違いがないか再確認中だとしながらも「韓国の農家は他国に比べ農薬を多く使っていることは否定できない事実」だと話している。

 畜産における抗生剤使用量も、韓国は主要国に比べ格段に多い。韓国の肉類1万トン当たりの抗生剤使用量は2006年ベースで0.75キログラムだが、これは豪州(0.02キログラム)の37倍以上に当たる。酪農先進国のデンマークやノルウェー、スウェーデンは0.03~0.05キログラム程度、米国も0.29キログラムにすぎない。

 農食品水産部は、無分別な抗生剤の使用を防ぐため、まず来年に配合飼料に混ぜて使用できる抗生剤を現行の25種類から18種類まで減らし、2012年には配合飼料への抗生剤を全面禁止する計画だ。

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