【ソウル4日聯合ニュース】北朝鮮が、韓国への批判を強める傍ら長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射準備の動きをみせるなど「瀬戸際戦術」を広げつあり、3月の朝鮮半島情勢変化に関心が集まっている。
 これは、6カ国協議レベルの対北朝鮮支援が3月初めに中断される可能性があり北朝鮮の反発が予想される点、テポドン2号の準備が3月ごろ完了するとみられ、状況次第で発射もあり得るという点に起因する。4月初めと予想される米新政権発足後初の韓米首脳会談を前に、米国の前向きなアプローチを引き出すため、北朝鮮が「賭け」に出る恐れがあることも注目される理由の一つだ。さらに、北朝鮮は先ごろ韓国との「全面対決態勢」突入を宣言するなど南北関係について連日強硬発言を繰り返しており、黄海北方限界線(NLL)海上や軍事境界線(MDL)一帯で衝突が起こる可能性も排除できない。

 まず3月に注目すべき変数は、6カ国協議参加国が北朝鮮の核施設無能力化に合わせて提供してきた対北朝鮮経済・エネルギー支援問題だ。米国とロシアがすでに割り当てられた重油20万トンの支援を完了し、中国も3月初めには重油20万トンに相当する発電設備資材支援を終えると予想されるためだ。韓国(5万5000トン)と日本(20万トン)の支援が残っているが、韓国は昨年12月に核検証の文書化に失敗して以降は事実上支援を中断しており、日本は北朝鮮による拉致問題の未解決を理由に支援を始めてさえいない。

 こうしたことから3月には対北朝鮮支援が中断するものとみられ、その場合に北朝鮮が核施設無能力化の中断で対応する可能性もある。北朝鮮は「支援が無能力化の速度より遅い」と主張しており、無能力化の中断にとどまらずプルトニウム再処理の動きを見せるなど無能力化に逆らう措置に出かねないと懸念される。

 ただ、経済・エネルギー実務グループ会議議長国の韓国が、危機を管理するため北朝鮮への支援を再開する可能性はある。政府当局者は4日、「北朝鮮に支援することで合意し生産も終わった鋼管3000トンについてはさまざまな状況を総合的に判断し引き渡し時期を検討する」と述べた。

 また、オバマ米政権を狙った北朝鮮の「瀬戸際戦術」が3月に展開される可能性が少なくないとする声もある。オバマ政権は政策再検討を経て遅くとも3月までには対北朝鮮政策を明示するとみられるが、これまで発表された政策方向を考慮すると、北朝鮮が望む「米朝の直接対話を通じた果敢な交渉」とは開きがあると予想されるためだ。

 さらに、4月初めに英ロンドンで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)で韓米首脳会談が行われる可能性が高いことも、北朝鮮の「3月挑発」の原因になり得るとみられている。ある消息筋は、「韓米首脳会談で対北朝鮮政策の大枠が定まれば、これを短時間で変えることは難しい」とし、北朝鮮は韓米首脳会談で最大限有利な政策が提示されるよう、朝鮮半島の緊張を高める可能性があると説明した。

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