カトリック教会・ソウル大教区は20日、ソウルの明洞大聖堂で金枢機卿の葬儀ミサを執り行った。韓昇洙(ハン・スンス)首相や駐韓外交使節、神父と信者など1万人余りが出席し、故人に別れを告げた。
金枢機卿は1969年に韓国初の枢機卿に任命された後、弱者の声を代弁し独裁政権に苦言を呈したほか、民主化運動を後援するなど、精神的な「長老」として慕われた。1998年に第一線を退いていたが、昨年に健康悪化から入院、治療を受けていた今月16日に87歳で死去した。
ソウル大教区長の鄭鎭ソク(チョン・ジンソク)枢機卿がローマ法王の名で執り行った葬儀ミサは、20日午前10時から1時間40分程度で進められた。鄭枢機卿は、金枢機卿は韓国社会の長老として光と希望になり、カトリック信者だけではなくすべての韓国人にとって「愛と平和の使徒」だったと故人を哀悼の意を示した。また、金枢機卿が「愛と分かち合い」を遺産として残してくれたおかげで一筋の希望が持てると述べた。
「告別礼式」では、鄭枢機卿は「枢機卿団の一員として数年間、ローマ法王に協力してきた金枢機卿を感謝する心で記憶する」という内容のローマ法王の追悼辞を代読した。政府代表として出席した韓首相が李明博(イ・ミョンバク)大統領の追悼のことばを代読したほか、駐韓法王庁の大使、韓国カトリック教会司教団代表など5人が弔辞を読み上げた。
ミサを終えると、金枢機卿の棺(ひつぎ)は若い神父らによって京畿道竜仁市にあるカトリック聖職者墓地に運ばれた。
金枢機卿の死去後、明洞大聖堂には38万7420人(19日午後11時50分現在)が訪れ故人をしのんだ。また、金枢機卿が臓器提供を行ったことを受け、一般市民の間でも臓器提供申し込みの動きが広がっている。
Copyright 2009(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0