サムスン電子のLEDテレビ「PAVV」=(聯合ニュース)
サムスン電子のLEDテレビ「PAVV」=(聯合ニュース)
【ソウル23日聯合ニュース】発光ダイオード(LED)を光源とするLEDバックライトのテレビ市場をめぐり、サムスン電子とLG電子が本格的に競い合い始めている。
 LG電子は22日、国内初となる240ヘルツ駆動のLEDテレビを「LH90」シリーズで発売すると明らかにした。サムスン電子が先月17日に「PAVV」シリーズでLEDテレビ2種を国内外市場で発売してから1か月になる。両社は4~5月中にそれぞれ後続製品を発売する予定で、LEDテレビ市場の主導権争いと神経戦は一層過熱する見通しだ。
 LEDテレビは、従来の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)に代わりLED素材をバックライトユニットとする液晶テレビで、ブラウン管テレビや通常の液晶テレビに比べ自然光に近い。LEDテレビは大別すると、LEDをパネル裏側に敷きつめる直下型方式と、LEDを枠組みに配置するエッジライト方式がある。
 サムスンが採択したエッジライト方式は、パネル裏側にLEDを敷きつめる必要がないため画面の厚みを薄くするには有利だ。先月発売されたLEDテレビの厚さは指の節の太さほどの29.9ミリメートル。LGが今回発売した90ミリの240ヘルツ駆動製品に比べると3分の1程度だ。これに先立つ1月、米ラスベガスで開催された世界最大の家電見本市「CES2009」で、サムスンは厚さ6.5ミリの超スリム型エッジライト方式のLEDテレビを公開している。
 一方、LGなど直下型方式を採択したメーカーは、光の明るさとカラーを調節できる局所輝度制御(ローカルディミング)機能を用いることができるために画質としてはエッジライト方式より優れているのが長所だと主張する。LG電子はこの日の「LH90」シリーズ発売にあたり、「直下方式で960個(55インチ基準)のLEDが画面全体にむらなく配置され発光するため、明るく鮮明な画質を具現できるのが最大の長所。局所輝度制御技術を通じ一層鮮明な画質を具現した」と強調した。これに対しサムスン側は、「ライバル社がエッジライト方式を採択できないのは、発熱による変形など技術的な問題を解決できないため。直下方式の画質のほうが良いという主張は根拠がない。LEDテレビの最大メリットのひとつはスリム化できることで、薄さをあきらめることはできない」とコメントする。
 互いに異なる方式で市場確保に乗り出していることに、LGディスプレーの権暎寿(クォン・ヨンス)社長は最近の記者懇談会で「サムソン電子は大胆なスリムデザインで差別化する道を選んだ半面、LG電子は『テレビはやはり画質』という原則に従ったようだ」と分析。どちらが市場で成功するかは見守る必要があると述べた。
 サムスンはLEDテレビの割合を今年は2けたに引き上げることを目標に、早ければ今月にも走査率を2倍に上げた240ヘルツ級の「8000」シリーズを発売する。LGよりLEDテレビを1か月ほど早く発売し1万1000台余りを売り上げた勢いに乗り、市場を確実に先占するとの構想。LGもまた、来月には初製品より大幅に薄いLEDテレビの後続製品を発売する方針だ。すでに1月のCED2009で、直下方式では最薄(24.8ミリ)のLEDテレビを展示している。
Copyright 2009(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0