【ソウル22日聯合ニュース】忠清南道泰安半島沖で3月に発生した空軍KF-16戦闘機墜落事故は、航空機が揚力を失ったことが原因と明らかになった。
 空軍が22日、墜落事故調査結果を伝える会見を行い、事故原因について「急激な空中戦闘機動時に発生し得る航空機の失速(揚力喪失)に備えた訓練中、失速直前の機体回復操作が遅れ、背面状態で失速し操縦不可能状況になったため」と説明した。低速で機体を上昇させ揚力喪失直前の状態に入ったが、正常飛行に回復する操作が遅れたため、機体が裏返った状態のまま落下し、海に墜落したということだ。
 空軍は、航空機の最大性能機動特性を把握するため、定期的に航空機失速直前回復訓練を実施している。墜落の危険性が内在するため、熟練した機体操作が必要な訓練だ。
 空軍関係者によると、この訓練中、前方席の操縦士が操作を行っていたが、飛行作業に没頭していたため低速上昇後の機体回復操作に即時に対応できなかった。危険を認知した後方席教官が回復操作を試みたが、速度が急激に落ち、失速した。機体は5700メートル上空で操縦不能状態となり、黄海上に墜落したが、操縦士2人は1740メートル上空で非常脱出しており、命に別状はなかった。
 空軍調査団が機体を引き揚げたところ、尾翼と機体前方に若干の破損があった以外、胴体部分や両翼は比較的良好な状態だったという。空軍関係者は、機体調査の結果、装備に異常はなく、事故当時、機体に欠陥はなかったと話している。飛行大隊の指揮と操縦士の管理面でも特異な点はなかったと確認されている。
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