ことし9月、いよいよソウルに分校「中村アカデミー」をオープンする日本・福岡所在の中村調理製菓専門学校の中村哲校長は10日、聯合ニュースのインタビューに応じ、韓国に学校を設立する理由に対し、こう語った。
以下は一問一答。
――韓国分校設立のきっかけは。
「日本の料理学校業界では、韓国を最大のマーケットとみている。日本に日本料理と洋菓子を学ぶため来日する留学生90%を韓国人が占める。韓国の料理人らからは、本当の日本料理を教えてくれるところがないという話をよく聞いた」
――韓国進出にあたっての意気込みは。
「学校は作ってからは目が離せないだろう。少なくても設立後1年間は1年の半分くらい、精神的にはそれ以上、こちらに滞在しなければと思う。日本料理の専門家を目指す韓国の方々が満足できるような教育をしてあげたい。材料の仕入れなどいろいろ問題があるかもしれないが、コンブやカツオブシを除いては、韓国で調達できるものは韓国のものを使う予定だ」
――日本料理に挑戦したいと思っている韓国人に一言。
「日本料理というのは、世界中のさまざまな料理を自分のものにし、非常に繊細な技術と味覚で元の料理とは違うものにしている。日本の料理は高い山だ。山が高ければふもとが広い。ふもとはすなわち、料理の世界では基礎になる。例えば、包丁を研ぐことが大切だ。包丁が切れなければ、魚の細胞が壊れて味が違ってくる。高い授業料を払って毎日包丁を研がせると不満を持つ学生がいるというが、それは日本料理の本質をわかっていないためだ」
――好きな韓国料理は。
「スンドゥブ(おぼろ豆腐の料理)、参鶏湯 (サムゲタン)、ビビンバなどをおいしく食べた」
――寿司のように韓国料理を世界化するアドバイスがあれば。
「韓国料理の強いことはいろいろあるが、何よりも韓国でいうウェルビーイング(健康志向)が一番だ。どちらかと言えば、野菜をたくさん食べさせることがいい。本当の意味では、日本料理よりもっと健康志向の料理だ。この点を世界中に打ち出す必要がある」
――中村アカデミーの運営はどうように。
「定員24人の洋菓子課程2班、計96人を5月から募集した。2班は専門家と一般に分かれる。30億ウォン(約2億5000万円)を投じた」
岡県生まれ。56歳。東京大学工学部大学院修了。三菱自動車を経て家業の調理製菓専門学校(福岡所在)を継ぐため、1995年に現職に就く。3年前からソウルに分校設立のため福岡とソウルを行き来する。
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