【ソウル24日聯合ニュース】非武装地帯(DMZ)一帯が、汎政府レベルで生態保存型観光名所に造成される。国家競争力強化委員会は23日の会議で、文化体育観光部、統一部、国防部、環境部など9官庁と共同で策定した「朝鮮半島生態平和ベルト造成案」を発表した。
 それによると、DMZ一帯には「DMZ横断自転車道(江華~高城)」と生態平和公園、山林休養治癒センターなどを造成し、民間人出入統制線(民統線)内の集落など10地域を滞在型文化観光村として整備する。外部からの出入りが制限されてきた民統線の出入り手続きを大幅に簡素化するほか、鉄柵線探訪区間を既存の1か所から3か所ほどに拡大し、地下通路の写真撮影も許可する方針だ。
 また、江華の干潟や臨津江沿いの生態系、タンチョウ、ゴマフアザラシなどに関する体験プログラムを開発し、先端機器を活用しDMZや民統線地域の動植物生息地、動物移動ルートを遠くから観察できる「U-ECO観察センター」も建設する。
 DMZに隣接する10の市・郡は、西部(坡州)、中部(鉄原)、東部(高城)などエリア別に安保、生態、南北交流をテーマとする拠点を造成する。
 動植物復元センターと有機農産物栽培団地、再生可能エネルギーを利用した低炭素・グリーン村の造成事業など、生態系の保全努力も並行し、江華~高城道路の改善、京元線鉄道路線の復元など、便宜施設の拡充も急ぐ。
 さらに、DMZ一帯を国際的な観光名所にする策として、国際トレッキング・自転車大会、世界平和音楽祭などの国際イベントを開催し、平和・環境関連の国際機関の誘致や海外ネットワークの強化も進める。
 休戦協定により1953年に指定されたDMZは、軍事境界線を基準に南北各2キロメートルの範囲を指す。民統線は休戦ライン南方10キロメートルほどの地域で、民間人の出入りや建築物の新築・増築などが制限されている。この地域には絶滅危機にある種を含め約2700種の野生動植物が生息しており、98の文化財、54の安保観光地がある。


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