「現代朝鮮歴史」は高級1~3の3巻からなり、朝鮮高級学校1~3年生が使う。
韓国と認識の差が最も大きかったのは高級1巻の1945~1953年に関する記述。朝鮮戦争について「米帝のけしかけにより李承晩(イ・スンマン)は1950年6月23日から38度線共和国(北朝鮮)地域に対する集中的な砲射撃を行い、6月25日には全面戦争に拡大された」とし、韓国が起こした戦争だと主張した。
高級2巻では、1976年に米軍将校2人が板門店で北朝鮮軍によって殺害された「斧蛮行事件(ポプラ事件)」について、「朝鮮人民軍が管理する木を切ろうとしたことに対し、非法(違法)行為の中止を求めた共和国警備隊員に米軍が凶器を振り回し暴行を加えた事件」と説明するなど、事実をゆがめ、一方的に北朝鮮を正当化している。
この教科書は一貫して北朝鮮体制の正当性を強調する一方、1990年代中盤以降に相次いで発生した自然災害などにより餓死者が続出した「苦難の行軍」など、北朝鮮が直面した困難は責任を外部に転嫁した。
韓国についても多くのページを割いている。独裁政権とこれに抵抗する民衆という基本構図の下、歴代政権については批判的に記述し、4・19革命(四月革命)、光州民主化運動、1987年の6月民主抗争など民主化運動を大きく扱っている。
また、金大中(キム・デジュン)元大統領については「政経癒着と不正腐敗を克服し、参与民主主義の実現に向けた国政改革を掲げた」と説明し、比較的肯定的に評価している。第1回南北首脳会談も別途の章を設け記述した。
高級3巻では「敬愛なる金日成(キム・イルソン)主席」「敬愛なる金正日(キム・ジョンイル)将軍さま」という文章がそれぞれ67回と86回登場し、偶像化が深刻であることがうかがえる。
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