南アフリカ共和国は白人政権時の1993年に核弾頭6個の廃棄を宣言、翌年にアパルトヘイト(人種隔離政策)を撤廃し、国連の経済制裁を脱してアフリカ最大の経済国に成長した。
アフリカ唯一の20カ国・地域(G20)構成国で、韓国と北朝鮮に対し同等の外交原則を維持している南アフリカ共和国が、北朝鮮非核化の必然性を重ねて強調したことで、朝鮮半島非核化のプロセスにも追い風になるものと期待される。
ズマ大統領は、3月に起こった北朝鮮魚雷による韓国哨戒艦「天安」沈没事件と関連し、朝鮮半島の状況を深く懸念し注視していると述べ、南北双方に対し、緊張を高めかねない言動の自制を求めた。不和解消手段としての対話と包容の重要性を重ねて強調しながら、「これは韓民族の繁栄と安定を保証できる大きな礎になる」と述べた。
11月にソウルで開かれるG20首脳会合(金融サミット)にも言及。サミットの成功に向け韓国と緊密に協力するとしながら、サミットでアフリカの関心事が反映されるよう、アフリカ諸国リーダーのソウル招請を期待するとした。サミット開催国は、G20構成国以外に5カ国をサミットに招くことができる。
また、韓国が農村開発に用いた地域開発運動「セマウル運動」の概念を導入したい考えを示したほか、両国間の経済協力の必要性も強調した。
ズマ大統領は、南アフリカ共和国を含めた多くのアフリカ諸国は、ここ数年間成長を続け、通信、銀行、鉱物、エネルギーを含めた多くの分野でチャンスを提供していると自評。「韓国企業がアフリカや南アの企業と協力し、アフリカ市場に見合ったビジネスモデルを開発してほしい」と投資を求めた。
また、同国で開催中のサッカー・ワールドカップ(W杯)は、これまでにないアフリカのイベントであり、アフリカの団結と発展という課題に貢献するだけでなく、平和と安定にも一助すると評価しながら、韓国代表の善戦を祈った。
ズマ大統領はアフリカ大陸最強国のリーダーとして、地域の懸案に絶対的な影響力を持つ。南部アフリカの15カ国で構成する南部アフリカ開発共同体(SADC)の政治・防衛・安保協議体・トロイカの一員も務め、ジンバブエの問題などで仲裁者の役割を果たしている。
Copyright 2010(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0