【ソウル15日聯合ニュース】中国が、1990年代末に盗掘された吉林省集安市の高句麗古墳壁画が韓国にあるとして、韓国当局に正式に返還を要請した。
 文化財庁が15日に明らかにしたところによると、中国国家文物局は先ごろ李健茂(イ・ゴンム)庁長に送った書簡で、「盗掘された集安市の高句麗古墳群1号墳3室の壁画が韓国に持ち込まれたことがわかった」と説明。「国際公約に基づき、壁画が本来の姿を取り戻し、子孫に伝えていく燦爛(さんらん)たる文化遺産となるよう、協力してほしい」と返還を求めた。
 盗掘したのは朝鮮族の3人で、1997年から2000年にかけ、7回にわたり集安市の高句麗古墳長川1号墳、三室塚の壁画を盗み、韓国人に売った容疑で2003年に逮捕され、死刑となった。盗まれた壁画には、「出行図」「青竜図」「白虎図」「玄武図」などが含まれていた。
 中国当局によると、3人は韓国古美術協会の幹部から教唆を受けて犯行に臨み、この壁画が韓国に渡ったと供述したという。
 文化財庁は中国側の返還要請を受け、緊急会議を開き対策を講じている。ひとまず盗掘事件の経緯を把握した後、具体的な解決策を整える方針だ。

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