【ソウル25日聯合ニュース】国立獣医科学検疫院は25日、家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)拡散の原因と感染経路の中間分析発表を行った。地方自治体と防疫当局による初動対応の不手際、最初の感染が確認される前にウイルスがほかの地域に広がったこと、寒波による防疫作業への支障が問題点として挙げられた。
 慶尚北道・安東の養豚団地で昨年11月中旬に最初の口蹄疫感染の疑いが出た当時、当局は簡易検査で陰性反応が出たことを理由にあいまいな態度を取り、このため事態が大きくなった。感染疑いの届け出から5日後に、農場の立ち入り統制など防疫作業に取り掛かったが、このとき既に、強い感染力を持つウイルスは周辺の農場を汚染していたと推定される。
 口蹄疫に感染すると抗体が作られる前にも臨床症状が見られることから、簡易検査で陰性と出たことには問題がないとしたが、当時の防疫関係者の対応次第で初動対応を1週間ほど早めることは可能だったと、対応にミスがあったことを認めた。
 韓国は外国と異なり、1地域に多くの農家が密集し、また地域ごとに畜種が特性化される特徴があり、疾病に感染した場合、その被害は大きいとした。安東も韓牛(韓国在来種のウシ)の産地で、養豚団地から輩出された口蹄疫ウイルスが周辺の韓牛農家に同時に広がったとみられる。
 さらに安東は同じ苗字の人たちが暮らす村が多くあるだけに密接な人間関係がある地域で、日ごろから集会などが多く、口蹄疫発生後も感染した農家と感染していない農家の間で頻繁な行き来があった。これもウイルスの急速な広がりの原因になったと指摘した。また、安東の韓牛農家の多くが同一の飼料を使用しており、車両の汚染や農家の防疫が行き届かず、同時に複数の農家が感染したともみられる。
 このほか、過去の口蹄疫発生では時期が3、4、5月と、消毒などの作業に問題はなかったが、今回は冬期で全国的に寒波が続き、作業に大きな支障となっている。これもウイルス拡散の追い風となった。
 一方、農林水産食品部によると、これまで口蹄疫感染事例がなかった慶尚南道でも24、25日に相次ぎ養豚農家の感染が確認された。25日には忠清南道・公州の養豚農家でも口蹄疫が発生。これで感染地域は8市・道、63市・郡、146か所に拡大した。
 政府が全国のウシとブタを対象にワクチン接種を実施しているものの歯止めが利かず、口蹄疫に感染していない地域は全羅南道と済州道だけとなった。

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