国会議事堂周辺で行われた韓米FTAに反対する大規模集会の模様=28日、ソウル(聯合ニュース)
国会議事堂周辺で行われた韓米FTAに反対する大規模集会の模様=28日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓米自由貿易協定(FTA)の批准案処理問題をめぐり、韓国の与野党が隔たりを埋められず、物理的衝突が発生する可能性が高まっている。
 韓米FTA批准案は米国議会では可決されたが、韓国では野党側の反対でこう着状態にある。最大野党の民主党などは輸入牛肉の関税見直しや南北合同事業の北朝鮮・開城工業団地の製品を韓国製と認めるかどうかなどについての再交渉を米国と行うべきだと主張。国会委員会の議場を占拠するなど、反対を続けている。
 これまで野党側が強く求めてきた通商手続き法処理、農漁業被害対策補強などで一定の進展があったものの、米国との再交渉が必要な部分に対する争点は解決できないまま、依然として平行線をたどっている。
 与党ハンナラ党と民主党の院内代表が30日に会合し、最終調整に乗り出すが、合意を期待するのは難しい。特に投資者による国家訴訟制度をめぐっては立場の違いだけを確認する場になりそうだ。
 同制度は投資家が国を相手にする訴訟について投資誘致国の裁判所ではなく、第3の仲裁機関で紛争を解決する制度。野党側は韓国司法制度を否定する条項と指摘し、破棄すべき内容だと主張している。これに対し、与党側は同条項は民主党政権時代に締結された内容である上、ほかの国とのFTAにも含まれた条項で杞憂(きゆう)にすぎないと説明している。
 劇的な合意が得られない場合、物理的衝突は不可欠な状況だが、どちらかの「譲歩」や「立場の旋回」は期待できないとの分析だ。与党では「成果なく野党に引き回されている」と不満の声が高まっており、野党でも交渉派の立場が弱まっている。そのため、状況はむしろ悪化する一方だとの指摘だ。
 政府と青瓦台(大統領府)は「10月31日までの処理」を公式要請している。韓米両国間の合意に伴い、批准案が60日間の準備期間を経て来年1月1日から発効するためには10月末では処理されなければならないというのが政府の立場だ。
 ただ、ハンナラ党は批准案の迅速処理の必要性に同意しながらも、具体的な時期については明言していない。おそらく、与野党間の最終協議の結果を見守ってから決める方針とみられる。一部では来月3日に予定されている本会議で処理する可能性があるとみている。
 民主党執行部は与党側が一方的に強行処理に踏み切る場合、物理的に阻止すると予告している。民主党のこうした姿勢は戦略的な面もある。韓米FTAが野党結束のキーポイントになっているだけに、ほかの野党とできるだけ歩調を合わせていくとみられる。
 一方、28日にはソウルの国会議事堂周辺で韓米FTAに反対する大規模集会が開かれた。農業団体や学生団体メンバーら計2500人(警察推計)が参加し、一部は議事堂敷地内に乱入、警官隊と激しく衝突し約70人が連行された。

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