【ソウル聯合ニュース】「春雨の降る朝に/汚染された大地に身を投げ出し/よろめきながらよろめきながら/再び立ち上がる青い若葉」
 東日本大震災と福島第1原子力発電所事故の発生から、今月11日で1年を迎えた。破壊された家はまた建てればいいし、生き残った人々はどうにかして生きていけばいいというが、すでに広範囲に広がった放射性物質はどうにもならない。
 プルトニウムは半減期が2万4000年だとか、ヨウ素やセシウムがどれだけ検出されたとかいう聞き慣れない「数値」は、日本や周辺国の国民の脳裏に「恐怖」として焼き付いた。
 韓国で出版される新刊「福島で吹く風」には、詩人の朴労解(パク・ノヘ)さんら15人が福島への思いをつづった詩や文章17編が収録されている。
 朴さんは詩「春雨の降る朝に」で、未来も見えないまま希望だけを抱くしかない福島の春を表現した。その雨に何が混ざっているかも分からないまま、凍土を溶かす春の贈り物であるかのように雨を浴びる名もなき若葉は、汚染された土地で生きていかねばならない住民たち、あるいは間接的・直接的な影響を受けるかもしれない隣国の人々の姿だ。
 同書は、原発事故で苦しむ人々の自画像を描く「感応する福島」、米国の核の傘の下で繁栄を謳歌(おうか)した「核体制」への批判を盛り込んだ「批判する福島」、そして原発事故を受け、世界が進むべき道を探る「模索する福島」の3部構成になっている。政治や文化、宗教、経済などさまざまな分野を取り上げながら、「福島」に代弁される人類の文明に鋭い自己批判を浴びせる。

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