【釜山聯合ニュース】韓国初の原子力発電所、古里1号機(釜山市機張郡)の稼動中止仮処分申請をめぐる抗告審の第2回口頭弁論が9日、釜山高等裁判所で行われた。審理では現場検証と安全評価報告書の公開をめぐり原告と被告とが争った。
 釜山市民からなる原告は、原発の安全点検の精度を高めるために外国人専門家らによる現場検証が必要だと主張した。
 これに対し、原発の運営会社、韓国水力原子力は国の原子力安全委員会から認められ原発を稼動させている点を主張した上で、原子力安全委員会が十分に調査していると反論した。
 また原告は、安全評価報告書などの公開を求めているが、公開されていないことについて、「十分な検証ができない」と主張。安全評価報告書と主要機器の評価報告書、放射線影響評価報告書の公開を求めた。
 韓国水力原子力は、国家安保や営業秘密を理由に「裁判所にだけ公開する」との方針を示した。
 今回の審理は今年2月の定期点検中に外部電源喪失事故が発生したことが発覚してから初めて行われるため、注目されていた。原告は同事故と関連する資料の提供も求めた。これについて裁判所は被告に対し、次回審理で同事故の関連資料を提出するよう求めた。
 古里1号機は1978年4月に商業運転を開始。設計寿命を迎えた2007年6月に稼動を停止したが、政府が10年間の稼動延長を承認し、2008年1月17日に再稼動した。
 「脱原発」を掲げる釜山市民ら97人は稼動中止の仮処分申請を申し立てたが、昨年9月の1審では「放射能災害が発生する蓋然(がいぜん)性があるとする具体的な資料がなく、稼動停止を求める法的権利はない」と棄却されている。

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