突入する警察特攻隊=13日、安山(聯合ニュース)
突入する警察特攻隊=13日、安山(聯合ニュース)
【安山聯合ニュース】韓国・ソウル郊外の京畿道安山市で13日、別居中の妻を呼ぶよう要求し、妻の連れ子ら4人を人質に取って約5時間にわたり妻の元夫宅に立てこもっていた男(47)が検挙された。室内からは元夫(49)が凶器に刺され死亡した状態で見つかった。連れ子のうち次女(16)は重傷を負って病院に運ばれたが、間もなく死亡した。 男は別居中だった妻が元夫と浮気していると疑い、犯行に及んだという。 警察は警察特攻隊を突入させ男を検挙したものの、死者が出たことにより責任を問われるのは避けられない情勢となった。◇事件発生 13日午前9時35分ごろ、「再婚した夫が、元夫との間に産まれた2人の娘を人質にしているという脅迫電話をかけてきた」という女性からの通報が警察にあった。安山市内にある元夫の自宅に出動した警察は、女性の2人の娘らに凶器を突きつける男と交渉を行った。 女性は現場に来て夫と電話で話し、娘らを解放するよう要求したが、夫は興奮した状態で、大声を出し続けた。 午後になり夫は電話で、元夫と娘を凶器で刺したと主張。警察は交渉不可能と判断し、待機していた警察特攻隊を入り口や窓などから室内に強行突入させた。夫はすぐに検挙されたが、室内で凶器に刺されて死亡した元夫と、血を流して倒れている次女が発見された。次女は病院に運ばれたが、間もなく死亡が確認された。 室内にいた長女と、元夫の知人とみられる40代女性は無事だったが、精神的なショックで話せない状態という。 警察関係者は「まだ事件の経緯や人物関係などは把握できていない」と説明した。 男と女性は法的には夫婦関係にあるが、現在別居中であるという。  警察は男を安山常緑警察署に移送し、詳しい事件の経緯や犯行の動機などを調べている。◇犯行の動機は浮気疑い 安山常緑警察署は同日午後、記者会見を開いた。男は警察の調べに対し、「妻と連絡が取れなくなり、浮気を疑って犯行を行った」と供述したという。 男は昨年8月から別居中だった妻が電話に出ず、12日午後、妻の元夫宅に行った。当時、部屋にいた元夫の知人の女性には弟とだまして中に入り、午後9時ごろ、帰宅した元夫ともみ合い、凶器で首を刺して殺害後、トイレに遺体を放置した。部屋で一夜を過ごした男は13日午前、妻と電話中に激怒し、次女の首を凶器で刺したという。 警察関係者は妻と元夫が内縁関係にあったかどうかは分からないとしている。◇問われる警察の対応 立てこもり事件で終わるか、今回のような殺人事件に発展するかは警察の対応によるとされる。今回の事件に対する警察の対応は不十分であったとの指摘が出ている。 警察は通報を受けてすぐに現場に向かい、男と対峙した。約5時間、人質を解放するよう説得したが、警察は男と女性、元夫の正確な関係を把握していなかった。女性が誰と婚姻し離婚したのか、またいつ再婚していつまで同居していたのか、現在はどこに居住しているのかなどについては把握していなかった。 事件に関連する人物関係を正確に確認できていなかったため、犯行動機などについて分析できず、対応に不手際があったとの見方が出ている。 警察は通報直後、人質は娘2人と把握していたが、実際には元夫とその知人も人質になっていたことが後に確認された。 また、現場到着から約5時間後の午後2時30分ごろ、夫と娘を凶器で刺したという男の話を聞いた後に突入し、男を検挙した。もう少し早く警察特攻隊が投入されていれば、次女は助かった可能性があるとの指摘も出ている。警察特攻隊は午後12時40分ごろから建物屋上で待機していた。 yugiri@yna.co.kr
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