トランスジェンダーに対して検察が「兵役義務を避けるために豊胸手術を受け、女性ホルモン剤の注射をした」と主張して起訴したが、裁判所は性同一性障害を認め、無罪を言い渡した。(提供:news1)
トランスジェンダーに対して検察が「兵役義務を避けるために豊胸手術を受け、女性ホルモン剤の注射をした」と主張して起訴したが、裁判所は性同一性障害を認め、無罪を言い渡した。(提供:news1)
トランスジェンダーの巫女に対して検察が「兵役義務を避けるために豊胸手術を受け、女性ホルモン剤の注射をした」と主張して起訴したが、裁判所は性同一性障害を認め、兵役法違反容疑について無罪を言い渡した。

 ソウル中央地裁は、兵役法違反容疑で起訴された巫堂の巫女A氏に対して無罪を言い渡したと、11日に明らかにした。

 A氏は2002年に初めて兵務庁で身体検査を受け、2級判定を受けた。

 2年後にA氏は、性同一性障害を理由に兵役処分変更願を提出し、翌年3級判定を受けた。

 A氏が最終的に兵役免除の判定を受けるまで、相当長い時間がかかった。

 A氏は3級判定を受けた翌年に入隊したが、訓練所から帰宅処分を受けた。また性同一性障害を理由に精神化治療を受けながら、女性ホルモン剤が処方され、豊胸手術まで受けたが、兵務庁は4級判定を下し、A氏は再び入隊した。

 しかし訓練所はA氏を再検査対象として再び帰宅処分にし、A氏は2012年になってやっと兵役免除の判定を受けた。

 ところが検察は、昨年A氏を兵役法違反容疑で起訴した。

 最初の身体検査時に精神化領域で正常の判定を受けたが、A氏が兵役義務を忌避するためにさまざまな治療を受けたというのだ。検察側はA氏が作成した「男性性を暗示するコメント」などを証拠として提示した。

 しかし判事は、A氏の性同一性障害を事実だと認め、無罪を言い渡した。

 判事は「A氏はトランスジェンダーのバーなどで働きながら、女性的な名前で社会生活を送ってきており、周囲はA氏が女性だと思っているし、女性として接していた」とし、「女性としてきれいになるために整形外科の施術を継続的に受けてきており、男性性を否定することも言っていた」と指摘した。

 また「最初の検査で正常判定を受けたことについてA氏は、『性同一性障害が周りに知られるのがとても怖くて明かすことができなかった』と主張しているが、納得できる面が十分にある主張だ」とし、「経済的問題、家族との葛藤のため、女性ホルモン剤の注射を受けられなかった点などに鑑みて、A氏は(女性ホルモン剤の注射を受ける前から)性同一性障害を抱えていた」と説明した。

 続けて「徴兵検査など検査規則は『性同一性障害による6か月間の治療経歴』を兵役免除の要件として規定しているだけで、『女性ホルモン剤の注射』や『性転換手術』を兵役免除の要件に規定しているのではない」とした。

 裁判所はことし1月に手術をしていないトランスジェンダーに対しても兵役を免除しなければならないという判決を出していた。

 当時の行政裁判所は「兵役義務を免除されるために女性らしい服装や化粧をすることから進んで、整形手術をして女性ホルモン剤の注射をするなど身体の変化まで企むことは、経験則にも合わない」として兵役免除の判決を言い渡した。


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