【ソウル聯合ニュース】昨年12月、米ニューヨークの空港で大韓航空機に搭乗した趙顕娥(チョ・ヒョンア)同社副社長(当時)が客室乗務員のナッツの出し方に激怒し、離陸直前に機体を引き返させた事件で、当時、旅客機から降ろされた客室サービス責任者のパク・チャンジン事務長が、趙氏を相手取り損害賠償を求める訴訟を米ニューヨーク州の裁判所に起こしたことが24日、確認された。 パク氏は23日に、「趙前副社長が機内で暴言と暴行を繰り返したために、パニック障害など肉体的、精神的に深刻な被害を負った」との趣旨で損害賠償を請求した。金額は明示していない。また、韓国には無い「懲罰的損害賠償」も求めた。 同氏は事件後に適応障害、不眠症などに苦しんでいるとして韓国の勤労福祉公団に労災申請し、8日に認定されている。労災認定に伴い、パク氏の療養期間は来年1月17日まで延長されたと伝えられる。 一方の趙氏は、先ごろ選任した米国の法律事務所を通じ対応するとみられる。趙氏側の弁護士は「パク氏は労災を認定されるなど韓国国内で被害救済を受けられるにもかかわらず、米国で訴訟を起こした」とし、その理由として「キム・ドヒさんと同じく、陪審裁判を通じ懲罰的損害賠償を勝ち取ろうとしている」との見解を示した。 キム・ドヒ氏は機内で趙氏にナッツをサービスした女性乗務員だ。3月に趙氏と大韓航空を相手取り、同じニューヨーク州の裁判所に損害賠償請求訴訟を起こした。これに対し趙氏側は、事件の当事者や証人は全て韓国人で、捜査や調査も韓国で行われた上、関連資料も韓国語で作成されたとしながら、「裁判は韓国で行うのが妥当だ」と主張。このほど公訴棄却を申し立てた。 こうした主張に関しパク氏は、「この事件で乗客はもちろん、管制塔や滑走路の関係者など空港側も被害を被ったため、ニューヨークで裁判が行われるべきだ」と反論している。 キム氏の場合は趙氏と大韓航空を提訴したが、パク氏は趙氏だけを相手取り訴訟を起こした。労働契約書に関連訴訟はソウルの地裁で行うと定めた条項があるためとの見方が出ている。 mgk1202@yna.co.kr
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