“トースターの神話”バルミューダ、スマホ市場に進出宣言=韓国報道(画像提供:wowkorea)
“トースターの神話”バルミューダ、スマホ市場に進出宣言=韓国報道(画像提供:wowkorea)

 日本の家電メーカー「バルミューダ」がスマートフォン事業に参入した。すでにサムスン電子、アップルなど主要企業が激しく競争する“レッドオーシャン”市場だが、バルミューダならではの“体験価値”で市場を開拓するという戦略だ。

 バルミューダの創業者兼最高経営責任者(CEO)である寺尾玄社長は16日、日本経済新聞とのインタビューで「われわれは(他社より進んだ)機能で勝負をするより、体験価値を追求する」とし、「(レッドオーシャン市場で)違いを見せるのがわれわれの特技」とスマートフォン市場進出への抱負を明らかにした。

 寺尾社長は「スマートフォン市場はデザインから大型化基調まで画一化され、顧客として新しいことを期待するようになった」とし、「私たちは扇風機からトースターまで、従来のレッドオーシャン市場をうまく切り抜けてきた経験がある」と強調した。

 寺尾社長が2003年に設立したバルミューダは、従来の家電が持っている似たような機能から脱し、斬新な体験価値を提供する戦略を立てて成長した企業だ。バルミューダの扇風機は従来の扇風機とは違ったファンを使って柔らかい風を送る方式、トースターの場合には蒸気を使ってパサついたパンに水分を与える方式で大きな人気を集めた。

 バルミューダのスマートフォンは5Gで発売され、価格は10万4800円と定められている。機器の生産は京セラに委託し、ソフトバンクから販売する計画である。

 寺尾社長はスマートフォンでもライバル会社の製品とは差別化された体験価値を与える案を模索する方針だ。寺尾社長はスマートフォン基本アプリのカレンダー、カメラ、時計、メモ、計算機アプリを独自に開発し、今後も基本アプリを増やしていくと明らかにした。ミュージシャンとして活動した経歴を生かし、着信音などにも差別化をはかる。

 スマートフォンのデザインも寺尾社長が担当した。握りやすい形状を基本にしつつ、川辺の石のように心地いい粗さと質感を追求した。また、時間が経てば老朽化するスマートフォンの特性を考慮して、使えば使うほどおしゃれになるデニムのような素材を利用したと付け加えた。

 寺尾社長は最近、日本の家電メーカーが革新性を失ったという批判も加えた。寺尾社長は「業界全般的に画期的な仕事に挑戦する試みが減った」とし、「パナソニックとソニーも初期には狂ったような熱情を持っていたが、創業当時の光が薄くなった。現在は輝く企業でなければ生き残れない」と指摘した。

 寺尾社長は「トースターが米国輸出に成功しただけに、バルミューダのスマートフォンを日本国内はもちろん、自国ブランドの強い韓国などでも発売する」と話した。寺尾社長は「10年後のスマートフォン市場は今とは全く違う」とし、「変化の波で泳ぐ人だけがそこに乗り込むことができ、私たちも変化の現場にいる」と強調した。

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