韓国ではことしに入って、貿易収支と物価に大きな負担がかかっている(画像提供:wowkorea)
韓国ではことしに入って、貿易収支と物価に大きな負担がかかっている(画像提供:wowkorea)
韓国ではことしに入って、ウクライナ事態の余波などにより国際エネルギー価格の高騰が続いていることで、貿易収支と物価に大きな負担がかかっている。ことしの1月から3月20日までの3大エネルギー(原油・ガス・石炭)輸入額は384億9660万ドルで、昨年同期間に比べ85.4%も増加した。原油の輸入額は69.8%増加し、ガスは92.0%・石炭は150.6%増加した。

このようなエネルギー輸入の増加は、主に国際エネルギー価格の上昇がその要因である。国際エネルギー価格は新型コロナウイルス感染症事態以降、経済活動の再開により需要が急速に増えているが、供給回復速度がこれについていけず、昨年から上昇の流れを示してきた。

このことに加え、全世界の原油の約12%・天然ガスの約17%を生産しているロシアのウクライナ侵攻に対し、国際社会が対露制裁に乗り出したことが、エネルギー価格上昇の勢いにさらに火をつけたかたちとなった。

急激なエネルギー価格の上昇は個別企業の利潤を悪化させるだけでなく、貿易収支と物価にも負担をかけている。

韓国開発研究院(KDI)のチョン・ギュチョル経済展望室長は「輸入価格が上昇すれば経常数値の黒字幅は減り、場合によっては赤字に転じるおそれがある」とし「国内の生産者物価・消費者物価に反映されることで、インフレ(物価上昇)の圧力としても作用することになる」と語った。

韓国のことし1月から3月20日までの貿易収支は、59億7700万ドルの赤字を記録した。昨年同期期間の貿易収支は、66億600万ドルの黒字であった。

一方、先月の消費者物価上昇率は3.7%で、5か月連続で3%台を記録している。

チョン室長は「国際エネルギー価格の上昇が続くかどうかは、国際情勢にかかっている」とし「今すぐ解消されるというシグナルがほとんどないため、上昇の流れは維持されると推測し、それに備える必要がある」と語った。

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