タンジ の最新ニュースまとめ
「キム・オジュンのニュース工場」は、2016年9月の放送開始からキム氏が司会を務めている。キム氏は南東部キョンサンナムド（慶尚南道）チネ（鎮海）市（現・チャンウォン〈昌原〉市チネ区）出身の53歳。1998年にインターネットメディアの「タンジ日報」を開設し、ネットにおける政治論客として名をはせた。タンジ日報は大手メディアの問題点を指摘して注目を集め、資産価値は一時、800億ウォン（約75億円）にまで達した。
「キム・オジュンのニュース工場」は、キム氏の刺激的で扇動的な発言により、従来にはない時事番組として人気番組となり、一時は地上波ラジオ局の番組でトップに立った。しかし、偏向性が見られるとも指摘されており、2020年に韓国放送広告公社がリスナーを対象に行った調査では、同時間帯に放送されているラジオ番組の中で、同番組は「信頼度」「中立性」などで最下位だった。また、TBSは資金の7割をソウル市から受けているため、番組はこれまで何度となく中立性が問われてきた。
キム氏の発言をめぐっては度々物議を醸し、先の大統領選では、昨年10月、動画投稿サイト「ユーチューブ」で、現野党「共に民主党」の候補だったイ・ジェミョン（李在明）氏の名を挙げ、「李在明は一人でここまで来た人物だ。今こそ、あなたたちがちょっと助けてやるべきだ」と発言。李氏の支持を呼び掛けた。
これに、韓国の選挙放送審議委員会は今年3月、大統領選挙期間中に特定候補の支持を表明した司会者にラジオ番組の進行を任せたとして、「キム・オジュンのニュース工場」を放送するTBSに対し、法定制裁の「警告」を議決した。
また、昨年11月には日本で新型コロナウイルスの感染者が急減したことに「日本は韓国の診断キットを輸入していないほぼ唯一の国。日本にある診断キットでは検査してもデルタ株を感知しない」などと発言した。
尹大統領夫妻に対しても度々苦言を呈している。今年5月、尹大統領とキム・ゴンヒ（金建希）夫人が大統領執務室などで過ごす様子を撮影した写真が金夫人のファンクラブを通じて公開され、物議を醸した際には「大統領執務室に夫人が行って写真を撮るのは公私の区別ができていない。写真がファンクラブを通じて公開されるということは、大統領秘書室が機能していないということだ」と懸念を示した。
また、最近では、金夫人が6月に夫に同行して北大西洋条約機構（NATO）を歴訪した際、身に着けていたアクセサリーをめぐり、野党議員が「尹大統領が申告した資産に（夫人がつけていた）宝石類はなかった。申告漏れではないのか」と指摘。これに対して大統領室は3点中2点は知人から借りたもので、残り1点は購入したものだが、金額は申告対象とならないと釈明した。法律で大統領は配偶者の財産のうち、500万ウォン（約50万円）以上の宝石類は財産として申告しなければならない。
「キム・オジュンのニュース工場」がこの問題を取り上げると、キム・オジュン氏は大統領室が、金夫人が購入した宝石について申告対象とならないとしていることを引き合いに、「こうした（高価な）ものを500万ウォン以下で買えるとはショッピングチャンス」と皮肉った。
「時事IN」が実施した「2022年大韓民国信頼度調査」で、一番信頼できる番組を尋ねたところ、同番組は8.5%で1位に。公共放送KBSの「ニュース9」（4.1%）やSBSの「それが知りたい」（2.6%）を抑え、信頼度を獲得した。また、「一番信頼できるジャーナリスト」を問う質問で、キム・オジョン氏は5.7%で2位にランクインした。
また、尹政権に批判的な論調を展開するハンギョレ新聞も今回の調査で「最も信頼する新聞」1位になった。
尹政権は現在、支持率低迷が続いている。反尹夫妻、反尹政権のメディアが視聴者・読者の信頼を得ているのも、支持率低迷と無関係とはいえないだろう。
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