飲酒運転事故により死亡した9歳「ひき逃げ」が適用されなかった理由=韓国ソウル(画像提供:wowkorea)
飲酒運転事故により死亡した9歳「ひき逃げ」が適用されなかった理由=韓国ソウル(画像提供:wowkorea)
韓国ソウル市カンナム(江南)のとある学校前スクールゾーンで、飲酒状態で運転し、小学生をひき死亡させた男性に、警察が「ひき逃げ」容疑を適用しないことにしたことについて、批判の声が出ている。

ソウル江南警察署は12月2日、ソウル市チョンダム(清潭)洞にある小学校の前で、下校途中の小学校3年生B君を車でひき死亡させた30代男性A氏を、特定犯罪加重処罰法上児童保護区域致死、いわゆる「ミンシキ法(キム・ミンシキ君〈当時9歳〉が事故後に発議された法案)」と道路交通法上飲酒運転などで拘束した。

以後4日、ソウル中央地法は30代男性A氏に対する、拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を進行し「犯罪が重大で逃走の恐れがある」と拘束令状を発付した。

A氏は当時、現場で事故を目撃した市民の通報により出動した警察に、現行犯として逮捕された。 A氏は事故を起こした後、車から降りずに40メートルほど運転し、自宅駐車場に移動したと把握された。

A氏は警察調査で事故事実を認知できなかったと主張した。自宅駐車場に移動したが家の周辺が騒々しく、約5分後に事故現場に戻ったということだ。彼は事故前、家で1人でビールを1~2杯飲んだ後、車を運転していったと警察に陳述したと伝えられた。

しかし当時、A氏の血中アルコール濃度は、免許取消水準(0.08%以上)だったと把握された。

それにもかかわらず、警察はA氏にひき逃げ容疑である特定犯罪加重処罰法上逃走致傷罪を適用しなかった。周辺の監視カメラなどを確認した結果、A氏が泥酔により事故を認知できなかったと判断したのだ。またA氏が事故現場に戻り、119に通報するなど、救急措置をおこなった点などを考慮したと警察は説明した。

これを巡り、B君の救護義務を果たさずに現場から逃走したA氏に、ひき逃げ容疑を適用することに消極的なのではないかという批判が出ている。

もしA氏のひき逃げ容疑が認められると、無期懲役や5年以上懲役刑に処せられ、「ミンシキ法」より法定刑が高い。

これについてB君の父親は6日、国民日報とのインタビューで、現場目撃者の証言を根拠に被疑者A氏(拘束)が事故を起こした事実を知りながらも逃走したと主張した。
B君の父は「警察は監視カメラを土台に、A氏が警察と消防に通報したと見られるが、実際の通報者は他の人だった」とし「通報したのは子供を抱えていた花屋社長であり、他の通報も事故現場の目撃者がした」と述べた。

そして「12月3日、警察が“拘束令状申請の時は緊急事案であるため、確実な疑いを適用しなければならなかったからだ。重大事件だから、今後調査する際にもっと詳しく見ていく” と言った」とし、「ひき逃げを適用しないことに決めたのは混乱している」と述べた。

警察は正確な事故経緯を把握し、早ければ今週中に事件を検察に渡す予定だ。

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