(あの日あの時)孤独が生み出した悪魔…61人の死傷者を出したバージニア工大乱射事件の犯人「チョ・スンヒ」(画像提供:wowkorea)
(あの日あの時)孤独が生み出した悪魔…61人の死傷者を出したバージニア工大乱射事件の犯人「チョ・スンヒ」(画像提供:wowkorea)
2007年4月16日の朝(現地時間)、アメリカ バージニアに位置するバージニア工科大学で銃乱射事件が発生した。犯人は寮など校内を移動しながら銃を乱射し、32人が死亡し29人が負傷した。

犯人は幼い頃アメリカに移住した当時23歳の韓国人男性チョ・スンヒだった。チョ・スンヒは事件直後に現場で自ら命を絶った。

チョ・スンヒはこの日午前7時15分バージニア工科大学キャンパスから離れた学生寮で女子学生に発砲し致命傷を与えた。彼は銃声を聞いて走ってきた寮長の大学院生も撃って現場を去った。女子学生は病院へ搬送後に死亡し大学院生は現場で即死した。

通報を受けた警察が駆けつけたが犯人を特定できず別人を容疑者とした。その間にチョ・スンヒは2時間で次の犯行に備えた。服を着替えテレビ局に自分の写真や犯行理由などを書いた手紙を送る。

銃撃が発生したにも関わらず、学校側はキャンパス内に緊急事態を発令しなかった。チョ・スンヒはリュックサックに銃など犯行に使う道具を詰め込んでキャンパスに移動し、午後9時40分ごろに講義室があるノリス・ホールに到着し、彼は準備してきたチェーンと南京錠で出入門を全て封鎖した後、2階に上がった。
そして講義室を渡り歩き無差別に乱射した。警察は午前9時50分ごろ現場に到着し、建物への進入を試みた。教授と学生に向かって乱射を続けていたチョ・スンヒは警察が建物内部に進入する音を聞いたのちに自ら命を絶った。

チョ・スンヒが約20分で発射した銃弾は174発に達した。彼は逃げる教授と生徒を狙い、隠れている生徒を見つけると発砲した。死亡した30人のうち28人が頭に被弾して死亡している。建物内ではチョ・スンヒが使った弾倉17個と弾丸203発が発見された。

事件はアメリカではもちろん韓国にも大きな衝撃を与えた。9歳で家族と共にアメリカに移住したチョ・スンヒが事件当時も韓国籍だったからだ。
チョ・スンヒは移民後、他の家族とは異なりアメリカ社会に溶け込めなかったことが分かった。幼い頃から受けてきた人種差別や深刻ないじめなどで、チョ・スンヒは社会に対する憎しみを膨らませ、その思考は大学入学後も変わらなかった。彼が犯行前テレビ局に送った手紙も社会への怒りで満ちあふれていた。

チョ・スンヒの家族は犯行から数日後の声明を通じて「このような恐ろしい罪を犯して世界中に悲しみをもたらしたことは想像を絶する。全ての犠牲者と家族に謝罪する。私たち家族は現在、痛みと喪失感、挫折に包まれている」と明らかにした。
また「家族はいつも仲良く平和で愛すべき人間だった。チョ・スンヒは静かで消極的だったが、こんな人間だとは思わなかった。私たちは今でも彼があのような残虐な行為をしたことが想像できない」とし「家族は警察の捜査に全面的に協力し、当局が事件の原因を理解するよう支援を惜しまない」と明らかにした。
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