「人手が足りない」精神病院の緊急入院拒否増加=韓国(画像提供:wowkorea)
「人手が足りない」精神病院の緊急入院拒否増加=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国メディア「ヘラルド経済新聞」によると、韓国では病院の医者や看護婦などの医療スタッフが不足し、物議を醸している中で、精神病院でも精神疾患者の緊急入院を拒否する事例が増えているという。

 韓国では精神疾患者が自害したり、他人を害する危険がある場合、医師と警察官は精神保健法に基づいて最長72時間、緊急入院が可能だ。

 韓国警察庁によると、警察による精神疾患者の緊急入院申請が差し戻された件数は2019年214件で、その割合が2.8%だった。しかし、昨年は1万133件のうち9.8%(1002件)で3.5倍も増えている。ここ4年間、この割合は2020年5409件中6.0%、2021年7427件中7.9%件と毎年増加している。病床や人手不足の問題でなくても、病院の判断で入院を拒否することもあったという。

 保健福祉省では、病院や医院の代わりに24時間精神疾患者の緊急事態に対応できる精神応急センターの設置を進めている。2025年までに14か所の選定を目標に、昨年末までに8か所の遂行機関を選定した。しかし、これも一般病院には、センターに指定されること自体が負担との声も出ている。昨年、精神応急センターの選定も、同省が4回にわたって公募した末に選ばれた。

 順天郷医科大学精神健康医学科のイ・ファヨン教授は、「精神応急センターに指定されるためには、別途に病室2つを確保しなければならない。しかし、今も病院では救急室が混雑している。はたして余力があるだろうか」と指摘した。

 ソウル新聞は2日付の社説で、病院の人手不足について、「救急隊が中央救急医療センターに連絡すれば、収容可能な救急室をリアルタイムで連結するシステムを早急に構築するべきだ」と医療システムの改善を訴えた。

 同日、文化日報も社説で「専門医がいなくて病院が患者を受けられない悲惨な現実は、さらに悪化するだろう」とし、医療業界に根本的な対策を求めた。
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