国家人権委員会が27日の会見で明らかにしたところによると、韓国女性政策研究院が昨年9~12月に女優111人を対象にアンケート調査を行った結果、回答者の60.2%が社会的有力者や放送関係者に対する性接待を行うよう提案されたことがあると答えた。
女優の45.3%は酒の席の接待を求められ、これに応じていた。体の特定部位を見つめるなど性的嫌がらせを受けた女優も58.3%に達した。性的な冗談を聞かされたり、体や外見の評価を受けたという回答も、それぞれ64.5%と67.3%に達した。
性的関係を求められたり、性的暴行の被害を受けたケースも確認された。回答者の31.5%は、胸や尻、脚など身体の一部を触られたことがあると答えた。直接の性的関係を求められた女優は21.5%、性的暴行など犯罪被害にあった女優も6.5%みられた。
性接待の対象は、財産家25人(43.9%)、演出プロデューサーや監督22人(38.6%)、制作会社社長13人(22.8%)、企業家9人(15.8%)、スポンサー8人(14.0%)、放送局幹部7人(12.3%)、芸能事務所社長7人(12.3%)、政官界関係者5人(8.8%)など。性接待を持ちかけてきたのは、同僚、先輩・後輩、友人など周辺の知人が37人で最も多く、事務所関係者が24人、エージェンシー関係者が9人、専門ブローカーが5人などだった。
また人権委は、女優志望者約240人にもアンケート調査を実施した。志望者らも女優ほどではないものの、性的嫌がらせや性接待、酒の席での接待の要求などを受けていた。
今回の調査で、女優の55%が、有力人物と会う席をあっ旋するとの提案を受けていたことが分かった。経営状況が良くない芸能事務所は、女性芸能人を媒介に後援者から支援を受け会社を運営しており、こうした場合、この女性芸能人は事務所と自身の成功と引き換えにスポンサー関係を維持するしかない状況に追い込まれる。
人権委は、芸能界の需要に比べ供給が多すぎる構造を問題点に挙げる。2005年基準で、演劇映画科など関連学科に在学する学生数は3万332人に達する。220~230校と推定される俳優養成所などを通じ、1年間に首都圏だけで4万8000人余りの芸能人の卵が輩出される。法の制定で芸能経営事業者の資格を厳格に定めたり、芸能人協会などの機関を設立し相談窓口を運営するなど、人権教育を行う必要があると提案した。
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