ハン・ヘジン=(聯合ニュース)
ハン・ヘジン=(聯合ニュース)
韓国で大ヒットし、日本でも放送され人気を集めたMBCドラマ「朱蒙(チュモン)」。韓国での放送は2007年3月に終了したが、今も女優ハン・ヘジンは多くの人に、同作品で演じた召西奴(ソソノ)として記憶されている。この4年の間に、ドラマ「テロワール」「済衆院」、映画「容赦はない」などに出演したが、視聴率51.9%で幕を下ろした「朱蒙」の影を消すには及ばなかった。

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 そんなハン・ヘジンが、「今回は確実なカードを手にした」感じがしているという。来月2日にスタートするKBS第2ドラマ「とげの鳥(原題)」のヒロインを演じている。このほど話を聞いた彼女は、「気が早すぎかもしれませんが、今度のドラマは本当にうまくいくと思うんです。脚本は順調に上がっているし、共演者たちも現場で楽しいと口をそろえています」と、大きな瞳をきらきらと輝かせた。

 この作品が自分の新たな代表作になってほしい、そうなる予感がするというハン・ヘジン。「ソソノとして身に余る愛情をいただいたことに心から感謝していますが、もう2011年なのにまだソソノと呼ばれるのはちょっと恥ずかしくて」と笑う。
 「とげの鳥」は、欲望のためすべてを捨てた女と、彼女が捨てたものを愛情で包み込むもう一人の女の姿を描く物語だ。ハン・ヘジンは後者の強く心優しい女性、ソ・ジョンウンを演じる。

 孤児院育ちの端役女優ジョンウンは、スターになれば実の母親を見つけることができるという希望を胸に、凛(りん)として生きる。基本的には明るく純粋なキャラクターながら、母親への恋慕をどこまでも抱き続ける。一方、苦難を乗り越えスターに成長していく。演じきるにはこれまで演じたなかでも最も幅の広い演技が必要となり、難しい役だという。
 ドラマそのものは、視聴者も入り込みやすい典型的なストーリー展開だ。2人の女性の複雑にからまった運命が交錯するなか、はっきりした善悪の対比が描かれる。しかし、自分も最初はそう思っていたが、脚本を読んでみたら決して単純なストーリーではなかったとハン・ヘジン。「構造は単純かもしれませんが、そのなかに複雑な心理が溶け込んでいます。その心理描写はとても難しいものです」。

 周囲に愛を振りまきながら自らは愛に飢えているジョンウンに視聴者に共感してもらうには、今まで以上に成熟した演技を見せなければいけない。そのプレッシャーはかなりのもので、「火の中に飛び込んでいく心境」だった。クランクイン前日には眠れないほどだったが、それでも挑戦したかった役だ。
 女優の役というのも心を引かれたポイントだ。高校2年生でオーディションを受けたころのことを思い出す。「当時は才能もなかったくせに意欲だけで飛び込んでいったので、オーディションを受けては落ちていましたよ(笑)」。
 前作「済衆院」に出演中は、オフィシャルサイトで視聴率の低さを惜しみながら、作品への愛情とプライドを示したことが話題となった。「視聴率が低いからこのドラマは失敗だということではない」と、どうしても言いたかったのだという。俳優が視聴率で右往左往してはならないが、視聴率が高ければ勇気をもらい、低ければ寂しい思いをするのも事実だ。

 新作ドラマは、卓越した心理描写でこれまでにない作品になると期待をかける。そこにリアリティーをもたせるためしっかり演じたいと、気合を入れた。

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