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<b>■BoAを見て画家の夢が歌手の夢に変わった</b>
「こんにちは、『Secret』のソナです。よろしくお願いします」。特有の明るさであいさつをしたソナは、インタビュー中もほとんど笑顔を絶やさなかった。バラエティ番組で活躍し、「Secret」というグループを広めたソナだけに、今回のインタビューにも大きな期待を寄せたのは事実だ。ソナはその期待に応えるかのように自然とユーモラスたっぷりに、自身の幼少時代から話し始めた。「わたしは幼い頃から美術に興味があり、画家を夢見ていました。歌手になるとは全く考えていませんでした。両親の寝ている姿や風景を描いて過ごす子どもで、暇ができるといつも絵を描いていました」
ソナは小学校時代に美術スクールに通い、画家の夢を追った。当時の彼女は優れた才能で各賞を受賞し、順調に画家への道を歩んでいた。しかしある日、テレビで見たBoAの姿が、ソナの夢を変えてしまうほどに大きな衝撃を与えた。「小学校6年生のとき、『アトランティスの少女』で活動していたBoA先輩を見て、すごくカッコいいと思いました。すぐにファンになり、それ以降、歌とダンスが好きになりました。画家に対する夢を一度置くことに、もったいないという思いもありましたが、BoA先輩の姿はそれだけわたしに、新たな衝撃をもたらしました」
心に決めたソナは大手企画会社のオーディションを受けてまわった。その年の冬、釜山で開かれた「SM青少年ベスト選抜大会」に参加したが結果は落選。このとき、子供だったソナは初めて「脱落」の苦みを味わったという。「中学校2年生の夏休みにひとりでソウルに行き、オーディションを受けました。そのときは歌手だけでなく、雑誌モデル、映画の脇役、モデルなどさまざまな分野のオーディションに参加しました。『ただ芸能人になりたくてオーディションを受けているのか』と言われることも多かったのですが、わたしは幼心にも『どうにかしてでも芸能人になったら、歌手としてデビューする道が開けるのでは』と考えていました(笑)」
こうしてがむしゃらに歌手を目指していたソナにとんでもない出来事があった。それは芸能界デビューをエサに詐欺行為をする会社が近づいてきたのだ。「2005年に釜山でオーディションを受けたのですが、その会社側から合格の知らせとともに、お金を持って来るよう要求されました。子供なりにも何かがおかしいと思い、両親と一緒に会社に行きました。その会社は信頼できる会社ではないと後にわかりました。それ以降、しばらく歌手という仕事について悩んでいました」。そのことがきっかけで子供だったソナは、歌手になる道は簡単ではないと悟り始めた。
<b>■「スーパースター・サバイバル」で「2PM」メンバーと競う</b>
しかし、一連の事件もソナの夢を壊すことはなかった。ショックは受けたが、それぐらいのことで歌手の夢を諦めることはできなかったという。諦めることを知らない彼女にチャンスは予想以上に早く訪れた。「中学校3年生のときに釜山でSBS『スーパースター・サバイバル』の告知を見て予選を受けたのですが、1回であっさり合格しました。後に、予選合格者は多かったことを知りました(笑)。二次、三次予選はソウルで行われたのですが、すごく緊張しましたね。特に三次予選で合格者が発表される際は、頭が真っ白になり何も考えられませんでした」
切実な彼女の望みが伝わったのか、し烈な競争から12人の合格者が発表され、ソナの名もそこに挙がっていた。「そのとき、自分の名前を見ても信じられませんでした。後に嬉しくて涙が出てきて、人目もはばからずワンワン泣きましたね」
12人の中には現在多大な人気を誇る「2PM」のジュノ、テギョン、チャンソン、そしてJOOも含まれていた。ソナは彼らとともにボーカルや演技のレッスンを受けた。釜山の少女ソナにはすべてが不思議で、自身の夢に少しずつ近づいているという思いにときめいていた。
しかし、このような思いも束の間、ソナはサバイバル形式の番組の5回目で脱落したのだ。ソナはその理由を「歌の実力に欠けていた」と話す。「当時のわたしは実力がなかったように思います。落選時は落ち込むだけでしたが、しばらくしてわたしの足りない部分を感じました。さらに一生懸命しないと、という思いが生まれたきっかけでしたね」
当時の状況を思い出したソナは「2PM」のメンバー、ジュノとの特別な縁を話し始めた。「ジュノさんは実のお兄さんのように接してくれました。本当に有難かったのはソウルに行くたびにたくさんのアドバイスをくれたんです。また、ともに苦労したすべてのメンバーとも仲良くなりました」
サバイバル番組で脱落したソナはすぐに荷物をまとめ釜山に向かった。「オーディションの合格者12人皆が大手プロダクションと契約できるという言葉に期待も膨らみましたが、結局そのチャンスを掴めたのは数人で、わたしはそこにはいませんでした。大きな期待があっただけに失望感もものすごかったです。帰り道に『この道はわたしの道ではないのかも』と思いながら釜山へと行きました」。「スーパースター・サバイバル」を通し、釜山の少女の夢はこうして終わったかのように見えた。
<b>■周りの視線が怖く、高校中退も考えた</b>
挫折を味わったソナはただの平凡な高校生になった。しかし学校での彼女に対する視線は大きく変わっていた。テレビ番組に出演したソナを高校の友人らは鋭い視線で見ていた。「友人らはわたしをJYPエンターテインメントの練習生だと思っていました。知らないうちに学校でうわさが広がっていたようです。『この子が芸能人か』と言われ、教室の外からのわたしを見にくる人たちの視線がつらかったです。トイレにも行けない状況でした」。また、「わたしを見る友人の嫉妬の眼しのせいで、人が怖くなりました」と告白した。「退学しようと考えたほど、本当につらい時期だったように思います」。
このような学生生活を送っていたソナに希望を投げかけた恩師がいた。合唱部の顧問をしていたソン・ヨンホ先生は迷っていたソナに一筋の光のように現れた。「ソン・ヨンホ先生は芸能界に興味のあるわたしに、大会出場の機会をたくさんくださいました。おかげでさまざまな大会で賞も獲り、学校生活も楽しくなりました」。ソナは先生の配慮に、学校でのこともベストを尽くそうと考えた。明るい人柄で、面倒なことも一手に引き受けるソナの姿に、先生はもちろん、友人らも徐々に心を開いていったという。
各大会で自身の実力を発揮したソナは、百済(ペクチェ)芸術大学の新入生になった。そのときまでは平凡な大学生活を送るものだと思っていたが、チャンスは突然やって来た。「大学の入学式が近づく中、『スーパースター・サバイバル』を見たというある俳優のマネジャーから連絡がありました。『一生懸命な姿が見ていて良かった』と言ってくださったのですが、その方が現事務所のスタッフと知り合いだったのです。その後オファーを受け、今の事務所に入りました」
「正直、高校卒業までに歌手になれなかったら、子供のころに得意だった絵を活かしファッション業界に進もうと思っていたんです。ところが、大学の入学金を納める1日前に連絡が来ました。悩んだ末、入学金は支払った上で現在の事務所と契約しました。そして、(高校の)卒業式の翌日、荷物をまとめ、ソウルに上京しました」
高校を卒業しすぐに練習生になったことで、残念な思いはないかという質問に「もちろんあります。友人らと一度もお酒を飲めなかったことが、悔やまれます」と笑ったソナの顔には天真爛漫なようすがうかがえた。(記者:パク・コヌク)
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