オオタニ・リョウヘイ(大谷亮平) の最新ニュースまとめ
中国・清王朝による朝鮮侵略の動乱の中、清軍にとらわれた妹を助け出すために、朝鮮の弓の名手ナミ(パク・ヘイル)が清軍の精鋭と死闘を繰り広げる。大谷は、清軍の将ジュシンタ(リュ・スンリョン)の右腕で、耳は聞こえるが、話せないノガミ役を演じた。キム・ハンミン監督の思い入れが深い役で、最後までキャストが決まらなかった役だ。女性をキャスティングする案もあったが、キム監督は大谷のキャリアを知ると、即キャスティングした。
大谷は韓国で本格的に活動して、それほど時間が経っていない。キム監督は韓国語が分からず苦労した分、話すことはできないが五感が研ぎ澄まされたノガミを演じるのに適役と考えたようだ。バレーボールで鍛えた運動神経の良さも買われたかもしれないという。
◇ハードな撮影で韓国人の情の深さ知る
初の映画出演となる「最終兵器 弓」については、「何も分からないまま撮影に臨みました」と笑う。乗馬や弓、山を駆け巡るアクションシーンもあるため、1か月半ほど特訓して撮影に入った。スケジュールがタイトで、激しいアクションをするにもかかわらず、撮影は失敗が許されないような緊張した雰囲気。ジュシンタ役のリュ・スンリョンがこっそり「これは映画の撮影じゃない」と泣き言を口にするほどきつかった。一日の撮影が終わってシャワーを浴びるときに、体の傷やあちこちが痛むことに気付いた。
撮影中には東日本大震災が発生した。テレビのニュースで大地震や津波の映像が流れても、映画づくりに没頭するしかなった。出身地は大阪だが、スタッフや俳優仲間が何度も「大丈夫か」と心配してくれた。もういいからというほど何度も声を掛けてくれたことが、うれしかったという。とにかく、一体感のある熱い現場だったと振り返る。
2003年、韓国のダンキンドーナツの広告モデルで韓国デビューを果たした。その後、仕事を増やし、2009年にはKBSドラマ「家に帰る道」にメーンキャストの1人として出演。ほかに韓国ドラマや日韓合作ドラマにも出演している。
韓国にきて7年。順風満帆にみえるが、「よく残った」というのが率直な感想だ。韓国での活躍を夢見て韓国に渡る日本人モデルや俳優は増えている。しかし、なかなかチャンスをつかめずに帰っていく人も多い。
なぜ、残れたと思うかとの質問に、「運がよかった」と笑顔をみせる。ただ、どの撮影でも「最後かもしれない」と思いながら、できる限りの努力をしてきた。
◇俳優の夢へまい進
何も分からず日本を飛び出した大谷だが、今の目標は「日韓で活躍する俳優になること」と迷いがない。仕事がないときは不安になるが、目標が明確だから揺れ動くことなく活動を続けられた。
映画の撮影中、キム監督が清の精鋭部隊を指し、「あの(端役の)中の一人になるな」と存在感を出すことの必要性を教えてくれた。また演技中の視線については「もっと力強く」と何度も指摘してくれた。彫りが深くどちらかというと強い印象の顔立ちだが、存在感のある韓国人俳優たちの間で目立つには目力が重要なのかもしれない。
来月からまた新たなドラマの撮影に入るが、そのドラマの監督にも目が優しいから「いい人」に見えてしまうと言われた。チャームポイントの澄んだ目で、今後どのような「百面相」ぶりを見せてくれるかが楽しみだ。
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