キム・ギドク監督
キム・ギドク監督
キム・ギドク監督の3年ぶりの復帰作、映画「アリラン」が11月19日(土)~11月27日(日)に有楽町(有楽町朝日ホール、有楽座ほか)で開催されていた「第12回東京フィルメックス」で、観客賞を受賞した。

 チケット発売初日の11月3日(木・祝)、たった3分で「アリラン」のチケットは完売。11月19日(土)に本映画祭のオープニング上映に合わせてキム・ギドク監督が来日し、上映後、満席の会場から大きな拍手で迎えられた。観客からは「(映画の内容に合わせて)あなたの家のドアをノックし続けます。映画を作り続けてください」など数々の熱いエールが送られ、会場はギドク監督の復帰を見守る温かな雰囲気に包まれた。今回の受賞は、映画ファンのギドク作品への渇望を証明する結果となった。

 前作「悲夢」の撮影中、自殺のシーンで一人の女優が危うく命を落とすような事故が起きた。その瞬間が忘れられず、自分を見失い人知れず泣くばかりの日々を送ったキム・ギドク監督は、韓国映画界と一切の接触を断ち、映画が撮れなくなってしまった。そして山小屋で隠遁生活を始める。「映画が撮れない」という映画監督にとって致命的な事態に見舞われたキム・ギドク監督は、「なぜ撮れないのか」と自分自身に問いかけ、その撮れない自分にカメラを向けた。「お前は何者で、お前は何がしたいのか。苦境に立たされた時、人は何をするべきなのか」そんな指針にもなる作品。カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門最優秀作品賞を受賞している。

 キム・ギドク監督は「オープニングで上映して頂いただけでも光栄なのに、観客賞まで頂き、ありがとうございました。今回の東京フィルメックスで映画への信念を回復し、人間に対する信頼を取り戻しました。私の映画を大事にしてくださるファンの皆さんと私の映画を日本に紹介してくれた会社に心からお礼申し上げます。観客賞により、私は大きな勇気を得ました。どうもありがとうございました」と述べた。

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