13日にソウル市内のカフェでインタビューに応じた是枝監督は、4歳の娘が10歳になったときに見ると仮定し、分かりやすい映画を作ったと語った。
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以下は一問一答。
――非常に明るい作品だが。
「前作の『空気人形』で韓国女優のペ・ドゥナとともに作業できたことは刺激的で満足できた。しかし、その後、ずっと一緒に仕事をしてきたプロデューサーが亡くなった。彼の死を機に、これまでのように映画を作ることはできないかもしれないと思った。精神的な父のような存在の人だったので、心が沈んでいた。そんなとき、列車を素材とした映画を作ってみないかと提案を受けた。最初は気が進まなかったが、子どもが登場する物語にすれば、私自身が気を取り直すことができるのではないかと思った。そして、オーディションを通じ、子どもたちと会ううちに、映画に対する思いが前向きに変わった」
――「空気人形」が詩のように作った作品だとすれば、「奇跡」は詩というよりは散文に近く、物語やメッセージを伝える方式がはるかに親切になった。家族映画を作ろうという意図で親切に作ったのか。
「ぴったりの表現だ。『空気人形』は『詩を書くように』、今回の映画や『歩いても 歩いても』は『散文または小説を書くように』というふうに、はっきりと分けて作った。ただ、それは家族映画を作るためだったわけではない。台本を書くときはいつも具体的に誰かの顔を思い浮かべながら書く。娘は今4歳だが、今回の映画は、10歳ぐらいになった娘に話しかけるように意識して、分かりやすく台本を書いた」
――今は映画に対する意志を回復したか。
「今はとても前向きで、あまり休みたいとは思わない。来年春には次の作品を撮影する計画だ。私と同世代の父親が登場する家族の物語を撮る予定だ」
――家族が大切なので、家族の物語に入り込むようになったのか。
「そうだと思う。監督が切実に感じていることを描いた作品が最も単純で強い力を持つと思う」
――東日本大震災後、監督らは多くの影響を受け、そのような現実を描いた映画を披露しているが。
「震災の経験はどのような形であれ向き合わなければならない。ただ、それを直接的なテーマとして、被災地や被災者に関する映画を作る考えは今のところない。私も4月に被災地を訪れ、現場の姿を収めた。さまざまな風景を見て、その地域のにおいを感じながら、その現場が私の中に強く残ったが、それを作品に反映するまでにはさらに時間がかかるだろう。『復旧』ではなく『復興』という言葉で都市の新しい姿について人々が語り始めるころに、その体験について再び問いかけることになるのではないかと思う。震災について直接映画を作らなくても、この時代を生きる一人の人間として、作家として、作品の中のどこかに、いかなる形であれ反映されると思う。意識していない状態で反映され、にじみ出る部分がより重要な場合もある」
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