ソル・ギョング の最新ニュースまとめ
韓国俳優ソル・ギョングは、映画「タワー」について、このように話を切り出した。
「解決師」(2010)以降、およそ2年ぶりに公開される新作「タワー」で彼は消防員役を演じ、火と死闘を繰り広げた。同じく災害映画だった「TSUNAMI-ツナミ-」(2009)では水と闘ったことを考えると、観客の目には興味深い”繰り返し”でもある。
映画公開を控え、先ごろインタビューに応じたソル・ギョングは、「タワー」が災害映画であることを知らず、キム・ジフン監督を信じてスタートした作品だったことを明かした。
「監督に初めて会ったとき、『華麗な休暇』の話をしてくれました。お金を調達しながら大変な思いをして撮影した、という話でした。しかし、何とか撮影を終え良い成果が出たわけですよね。その”度胸”がすばらしいと感じて、人に対する信頼が生まれました。それで、ただ”やります!”と出演オファーに承諾しました。実際に監督は、撮影現場で俳優たちはどのようにしたらウケるだろうか、と考えながら撮影を進めるような方。ちょっとした集まりも多く開催され、大変な撮影が終わると皆で一杯しながら会話をして、皆さんと親しくなりました」
消防員の役であるため、大部分のシーンを火と共に撮影。これは「TSUNAMI-ツナミ-」よりも大変だったと話す。
「『TSUNAMI-ツナミ-』では水を実際に浴びるシーンはプロローグのみでした。そして、共演者のハ・ジウォンさんと水の中から出てくるシーンは温水プールで撮影したものだったので、映画を見ると”死闘”のように見えても、実際はそうではなかったのです。しかし、火はちょっと怖かったですね。野外撮影だったからか、風が吹くと火も大きくなるので…。また、消防ホースの水圧がすさまじく、もしこれでミスを犯したら大事故になり、最悪のケースでは死に至ると聞きました。このシーンでホースを掴んでいるときは本当に緊張しましたね。これを離したら死んでしまうと…」
火災の危険に備えて、彼はスタントマンらが顔に塗るという防災クリームまで使用したという。
「火がCG(コンピューターグラフィック)ではなく、本物の火を使用していたので、その中に入るシーンは躊躇(ちゅうちょ)してしまいました。『カット』の声がかかった途端に安心しましたね」
火と共にする演技も大きな障害物だった。ソル・ギョングは、今回の映画を通して消防員の苦労を全身で感じたという。
「映画の中ではずっと走っていますが、実際には煙のせいで前が全く見えません。壁が見える場所まで何とかして行かないといけない。その中で消防員たちは酸素ボンベを背負って1時間以内に任務を完了しなければならないそうです。本当に”犠牲の精神”がなければできない職業、他の人とは違う脳構造をもっていなければできない仕事、ということを知りました。自分を愛する気持ちの強い人は、絶対にできないことだと思います。特に、韓国の消防員はこんな苦労しても海外のような恩恵を受けることができず、本当につらい立場だと感じました」
彼は、1千万人を動員した「TSUNAMI-ツナミ-」よりも見所が多いと自信を見せた。
「『TSUNAMI-ツナミ-』はラスト30分前くらいから災害が本格化してきましたが、今回の映画は事故の時間がもっと早くから続きます。CGが使われるとしても、大部分のセッティングはほぼ完了した状態で撮影したためさらにリアル。CG技術も前回より格段に良くなっています。また、制限された空間に留まることで、死の恐怖や生きることへの意思がさらに強く感じられるでしょう」
昨年5月からことし2月まで撮影していた「タワー」は、当初ことし夏の公開を検討していたが、CGなど後半作業の補強のため年末にずれ込んだ。
この間、ソル・ギョングは2つの映画を撮った。ユン・ジェギュン監督が代表を務めるJKフィルムの「交渉ターミネーター(仮)」と先ごろチョン・ウソン、ハン・ヒョジュとタッグを組んだ映画「監視」だ。
「TSUNAMI-ツナミ-」以降、「許しはしない」と「解決師」が思わしくない興行成績だったが、彼はそれほど失望はしていないと話す。
「1つや2つの作品が良くなかったからといって、そんなにがっかりする必要はないと思っています。わざとそうしているわけではないし、映画がうまくいかないことだってあります。次の作品でさらにがんばれば良いので、1つの結果で全体を判断するべきではありません。一度の失敗があっても、再び成功すれば人々は”王の帰還だ”と騒ぎますよね(笑)。努力というのは、続けていれば報われるものですから」
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