KBS1「独立映画館」が秋夕特集として特別選定した作品「家族の国」が22日に放送される。
同映画は、北朝鮮に関する2つのドキュメンタリー「ディア平壌」(2006)と「グッバイ平壌」(2011)で世界的に注目を集めた在日2世ヤン・ヨンヒ監督が初めて演出した劇映画だ。
「家族の国」は劇映画ではあるが、先に述べた2つのドキュメンタリーのように日本朝鮮総連で働く両親をもったヤン監督の自伝的な家族史を基にした。特に、朝鮮総連「北送事業」の一環として1971年~72年に北朝鮮に送られた家族たちと離れ離れにならざるを得なかった兄のストーリーだ。
映画は、朝鮮総連で働く両親に育てられ、幼い頃に北朝鮮に送られた息子が脳腫瘍を患い、治療を受けるために日本を訪れることからスタートする。北朝鮮から一緒に派遣された監視員が24時間監視の目を光らせる中、彼の友だちに会うときも、初恋の相手と再会する瞬間にも常に不便さがつきまとう。映画には、彼の複雑な心境と共に病気を患った息子、さらに彼をまた北朝鮮に送り返したくないという両親と妹の苦しい胸の内が切々と描かれている。
映画は、非劇と切ない心情がむしろ淡々と節制されて表現されており、これが好評だった。
昨年2月、ベルリン国際映画祭で初めて公開され、国際芸術映画館連盟賞を受賞したのをはじめ、海外有数の映画祭に招待された。
また、ことしアカデミー外国語映画賞部j門に日本代表作として出品され、読売文学賞の劇曲シナリオ賞、毎日映画コンクール脚本賞を受賞。さらに日本の映画専門誌であるキネマ旬報が選定した年間日本映画ベスト1位に輝いた。
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