映画「もう一つの約束」出演者たち
映画「もう一つの約束」出演者たち
「チケットパワーでは10枚にも満たない俳優が、映画の真ん中に立っていることを懸念しました。しかし、私たちの後ろには1万人の制作者と投資者がいます。そのパワーを信じて、一生懸命撮影しました」

 映画「もう一つの約束」で主人公ハン・サング役を演じた俳優パク・チョルミンは20日、ソウル市内の劇場で行われた記者懇談会でこのように語った。

 同作品は、サムスン半導体で働いていた最中、白血病でこの世を去った故ファン・ユミ氏の実話を描いた。映画は、韓国社会を拳握した大企業に立ち向かう労働災害被害者家族のストーリーだ。社会において強大な権力を行使する大企業への批判的な視線と拝金主義が染み込んだ韓国社会に対する鋭い視覚も同映画は露出している。

 制作陣は、市民募金運動と個人の直接投資で15億ウォンを募金。純製作費(10億ウォン)はもちろん、プリントや広告(P&A)費用を含める総制作費全額を集めた。この方式で制作費全額を集めた専業映画は「もう一つの約束」が初めてだ。

 パク・チョルミンは「この作品は産業映画ですが、メジャー投資者たちの投資を受けることができずに、募金方式で制作しました」とし「その過程は大変で困難を極めましたが、結局、小さな奇跡を集めて大きな奇跡を作りだすことができたのです」と語った。

 「ある青年は、世界旅行に出かけようと4~5年間アルバイトをして貯めたお金を投資し、また移民を決意していたある家族は大金を寄付して旅立っていきました。また、キムチを送ってくれた方、鞄を送ってくれた方などもたくさんいました。これらいくつもの努力が集まり、映画を完成させることができたのです」。

 キム・テユン監督は「シナリオを書こうとしていたとき、周りでは反対する声もありました。”投資してもらえるのか”、”キャスティングはうまくいくのか”など心配され、予想通り投資を受けるのはとても難しい状況でした」とし「投資部分が、映画を撮影する中で一番大変でしたね。中間で資金源が底をつくこともありました」と振り返った。

 外からの圧力はあったのでは、という質問については「(外的な圧力は)全くなかった」とし「そのような質問はよくされるのですが、理由を考えてみると、私たちの中に”恐れ”があるようです。しかし、恐れを抱くこと自体がおかしいこと。私たち関係者の間では、冗談話のように外圧よりは内圧の方が多かった、と話していました」と説明した。

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