<W解説>韓国「全国のど自慢」、国民的司会者の後任MCに抜てきされたキム・シニョン氏とは?(画像提供:wowkorea)
<W解説>韓国「全国のど自慢」、国民的司会者の後任MCに抜てきされたキム・シニョン氏とは?(画像提供:wowkorea)
韓国の公共放送KBSが放送している長寿番組「KBS全国のど自慢」の新MCが先月29日に明らかとなった。34年にわたって同番組の司会を務めたソン・ヘ(宋海)氏が今年6月、95歳で死去したことを受け、後任のMC選びが進められていた。新MCはタレントのキム・シニョン氏(38)が務める。

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 「KBS全国のど自慢」は1972年4月3日~1977年4月2日までKBSで放送された「KBS杯争奪全国のど自慢」の後継番組として1980年12月2日にスタートした。現在、韓国において同一番組名で放送されている最長の番組。全国各地を巡回して公開収録を行い、毎週日曜日の昼に放送される。毎回20組ほどが出場し、特設ステージで自慢ののどを披露。番組の終わりに、最優秀賞をはじめ各賞が決まる。ゲスト歌手が歌うコーナーも用意されている。

 日本の「NHKのど自慢」によく似ているが、効果音は鐘の音ではなく、「ピンポンパン」と百貨店の案内放送のような音が鳴らされるほか、観客の最前列で踊る応援団がいたりもする。

 番組のMCは1988年から宋氏が務めてきた。持ち前の話術と親しみやすい気さくな姿が視聴者に愛され、「国民のMC」として人気を博した。34年間、同番組の司会を続け、今年5月、「世界で最高齢のTV音楽ショー司会者」として、ギネス世界記録に認定された。宋氏は当時「長年、のど自慢を愛して下さった視聴者の皆さんのおかげ。『飛び上がるほどうれしい』とよく言うが、それを超える気分だ」と喜びを口にした。

 宋氏は今年1月に体調を崩して入院。3月には新型コロナウイルスに感染した。4月には無事復帰したが、再び体調を崩して5月に入院し療養していたが、6月8日、死去した。95歳だった。宋氏は、日本統治時代の朝鮮のファンヘド・ジェリョン(黄海道・載寧、現・黄海南道)出身で、いつの日か、故郷で同番組の司会を務めたいとの夢を持っていたが、叶わなかった。かつて、ある番組で「『故郷にいらっしゃる皆さん、ボキ(ソン氏の本名)が来ました!全国のど自慢!』といって人生を終えたい」と語っていた。国民的司会者の死に、韓国では悲しみが広がり、テレビ局各社は追悼番組を放送した。

 現在、番組は臨時MCとして作曲家のイ・ホソプ氏とKBSアナウンサーのイム・スミン氏が務めているが、複数の韓国メディアがKBSの関係者の話として29日に伝えたところによると、新MCにタレントのキム・シニョン氏が選ばれた

 キム氏は南東部のテグ(大邱)市生まれ。2003年にタレントとしてデビューした。ラジオ番組「正午の希望曲キム・シニョンです」のMCのほか、女性コメディアンによるユニット「Celeb Five」のメンバーとして活躍。さらに6月に公開されたパク・チャヌク監督の韓国映画「別れる決心」では演技力も認められ、マルチに活躍している。

 キム氏はのど自慢の新MCに抜てきされたことを受けコメントを発表。「『全国のど自慢』と一緒に育ってきた私が後任のMCに選ばれ、光栄だ」とし、「これから全国各地の多くの方々とコミュニケーションを取り、学んでいく。番組の伝統を汚さぬよう、頑張って楽しく進行したい。言葉で表現できないほど、重ね重ね感謝の気持ちでいっぱい」と喜びと決意を表した。

 同番組のチーフ・プロデユーサーのキム・サンミ氏は「キム・シニョンはデビュー20年のベテランコメディアンとしてテレビやラジオだけでなく、最近は映画界も認める天才タレントだ」と評価。MC起用理由について「何より大衆たちと共にする舞台経験が豊富で新しい『全国のど自慢』のMCとして非常に適任だと考えた。ソン・ヘ先生の後任となるので荷が重いと思うが、うまくやれると思う。キム・シニョンが見せてくれる新しい『全国のど自慢』に期待してほしい」と話した。

 キム氏は10月16日放送分からMCを務める。

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