<W解説>「BTS」の兵役問題、結論の時期が迫っている=世論調査も賛成多数、野党議員は改正案提出(画像提供:wowkorea)
<W解説>「BTS」の兵役問題、結論の時期が迫っている=世論調査も賛成多数、野党議員は改正案提出(画像提供:wowkorea)
韓国の人気グループ「BTS(防弾少年団)」など、アーティストの兵役問題をめぐり、韓国の国会国防委員会に所属する、最大野党「共に民主党」のキム・ヨンベ(金永培)議員が19日、兵役法改正案を国会に提出したことを明らかにした。アーティストの兵役義務を代替含みに切り替えることなどを盛り込んだ。また、国防委は同日までに、「BTS」の兵役免除を認める法改正について国民の賛否を問う世論調査を実施し、結果を発表。賛成が反対を大きく上回る結果となった。韓国国防部(部は省に相当)は法改正に慎重な姿勢を貫いているが、いずれにせよ、「BTS」の最年長メンバーJINの入隊期限が年末に迫っており、韓国政府はそろそろこの問題に結論を出す時期に来ているといえる。

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 韓国では男性に最長で21か月間の兵役義務が課せられている。現行の兵役法は、芸術・スポーツ分野の特技を持ち、文化体育観光部が推薦した人が芸術・スポーツ要員として兵役を代替できるようにする「兵役特例」を規定している。しかし、その対象に大衆文化芸術者は含まれていない。

 「BTS」が世界的な活躍を見せる中、国民からは「芸能人も国威発揚に貢献しているのに兵役特例の対象にならないのはおかしい」との声が上がり始めた。兵役特例をめぐる議論は、JINの入隊時期が迫るにつれて活発になり、国民の関心も高まった。

 これを受けて昨年6月、兵役法の改正法が施行。28歳までとしていた入隊期限を文化勲章・褒章受勲者のうち「優秀者」に限り、満30歳まで入隊を延長できるようになった。改正法により、JINの入隊は今年12月31日まで延長されたが、エンタメ界などからは「BTS」など韓流スターの兵役について、入隊時期の延期ではなく兵役特例の対象とするよう求める声が強い。

 国会国防委員会の法案審査小委員会は昨年11月、国益に対する貢献度が高い大衆文化芸術者に対して兵役特例が受けられるようにする「兵役法改正案」について議論したが、結局、結論は出なかった。

 「BTS」の所属事務所HYBE(ハイブ)はしびれを切らしたのか、4月、国会において早期に結論を出すよう求めた。

 6月に「BTS」は、グループとしての活動を一時休止し、ソロ活動を中心に行っていくことを発表した。背景には兵役問題も影響していると報じられた。聯合ニュースは当時「不確実性が大きい中でグループとして今後の活動計画を決めることは困難だった」との見方を伝えた。

 国防部のイ・ジョンソプ長官は先月、「BTS」の兵役特例に関して「デッドライン(期限)を定めて結論を出すよう、世論調査の早期実施を指示した」と述べた。しかし、直後に国防部の報道官室は「世論調査を指示した」とのイ氏の発言について、「世論調査が必要か検討しろとの指示だった」と訂正。国民からは「BTSの兵役問題の責任を国民に押しつけている」と批判が高まり、国防部は今月1日、「世論調査は実施しない」と正式に発表した。JINの入隊期限が迫る中、この問題の解決に国防部が苦悩している様子をうかがわせた。

 こうした中、国会国防委員会に所属する金議員が19日、文化勲章・文化褒章、体育勲章、体育褒章などを受章した大衆文化のアーティストに対し、芸術・体育要因として代替服務を認めることを柱とする「兵役法改正案」を国会に提出した。「BTS」は2018年に韓流などを広めた功績が認められ、「花冠文化勲章」を受章しており、金氏が提出した改正案で既定の芸術・体育要因の基準を満たしている。金氏は「BTSのように世界的に成功している大衆文化のアーティストが代替服務によって兵役義務を履行できる道を開くために兵役法改正案を提出した」と説明した。

 国防委では金氏を含む与野党議員が法改正を主張しており、今月14、15の両日、全国の約1000人を対象に、国防部が取りやめた世論調査を実施。「BTS」の兵役免除を認める法改正について、賛成に60.9%に上り、反対の34.3%を大きく上回る結果となった。

 国防委は今回の結果を受け「早急に関連議論の結論を出したいとしている。世界的な人気を誇る「BTS」に関連する問題なだけに、今後の行方は世界が注視している。

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