今年に入り、独島問題と教科書問題、靖国神社参拝問題などにより韓日関係が冷え込んでいることについて、韓日のメディアの責任と役割を話し合う場が設けられた。韓国新聞放送編集人協会が26日にソウル市内のホテルで開催した第42回韓日編集幹部セミナーで、両国のメディアの編集幹部40人余りが「韓日関係の再整備方向とメディアの役割」をテーマに討論を行ったもの。
 セミナーに参加したパネリストらは、日本で「韓流」に対する反発から「嫌韓流」が関心を集めており、韓国では反日感情が高まっていることについて、メディアの報道にも責任があると指摘した。

 テーマ発表に立った日本の佐々木真・時事通信社編集委員は「今年に入り韓国の一部団体による激しい抗議デモが報道され、報道が結果的に読者と視聴者に、『韓国はとんでもない国だ』という感情を招いた点は否定できない」と指摘した。また、日本で「マンガ嫌韓流」がベストセラーになっていることや、インターネット掲示板で韓国をおとしめる書き込みがあるなど、日本人の韓国に対する冷ややかな視線について、インターネットの特性という観点から分析し、「インターネットはどの国でも、若いそうによる既成世代への反抗の場」と述べた。日本では現在「韓国との友好」という社会的規範ができているため、インターネットではこれに対する反感や反発が表れやすいという。また、メディアによる「日韓友好」という言葉が空回りし、若い層の心に伝わっていないのかもしれないとの見方を示した。

 一方、反日感情をあおるように見える韓国メディアの報道についても苦言を呈した。「友情年であるにもかかわらず、戦後最悪の韓日関係」のような表現をしばしば目にするが、陸英修(ユク・ヨンス、故朴正熙大統領の夫人)さん暗殺事件直後の国交断絶直前までいったときほど状況は悪化していないのは明らかだと指摘した。

 東亜日報の金忠植(キム・チュンシク)論説委員も「韓国の日本に関する報道は一方通行であり、感情的報道一色という日本側の反論には肯定的だ」とする自身の考えを表明したうえで、日本でも「韓国の反日キャンペーンが始まった」などと報道するケースもあると指摘した。これについては「韓国人と日本人の発想と価値観の違いのために起きる隔たりをも意図的に反日キャンペーンと見ている印象を受ける」との考えを示した。

 こうした韓日間の問題を克服するためのメディアの役割として、佐々木氏は、韓日友好がなにより重要でこれを目標にするという明確な意思表示、行き過ぎた排他的なナショナリズムの克服、各国の多様性の紹介――などを提示した。具体的には、相手国についての記事を含め、自社の報道を積極的に翻訳し、インターネットサイトなどに掲載することで相手国の国民に示すことや、相手国記事の翻訳の積極的な掲載、共同取材・共同企画などを提案した。金氏も韓日のジャーナリストが相手側を深く理解しようという努力が必要だと指摘した。また、日本語の「思いやり」「気配り」という単語を挙げ、こうした気持ちを隣国に対しても持つのが望ましいと述べた。


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