公開された書=31日、京都(聯合ニュース)
公開された書=31日、京都(聯合ニュース)
【京都31日聯合ニュース】日本植民地時代の独立運動家、安重根(アン・ジュングン)が獄中で書き残した書3点が、日本の市民団体が主催した展示会で初めて公開された。
 韓日の歴史問題を研究する「韓国併合」100年市民ネットワークが31日に明らかにしたところによると、同団体は日本・京都の龍谷大学で26日から4月1日まで開催の「安重根遺筆、関係資料展」で、これまで一般に公開されなかった安重根の書を展示している。

 安重根は1909年10月、日本初代首相で朝鮮統監だった伊藤博文をハルビンで射殺した後、中国・旅順監獄に収監され翌年の3月に処刑された。これらの書は中国古書の警句の一節で、書いたのは処刑された月の「庚戌3月」と記されている。「論語」の警句「不仁者不可以久處約」(仁愛の心を持たぬ者はつつましい生活に耐えることができず、安楽な生活に長くとどまることもできない)は、獄中でのつらい状況を克服しようとする意志がこもっている。同じく「論語」の「敏而好学不恥下問」(敏にして学問を好み、自分より下の人に教えを請うのを恥としない)では、学問への強い意志を表現したとみられる。残りの1点は、「中庸」の「戒慎乎其所不睹」(君子は見えない所をつつしみ深くする)。

 書にはすべて、薬指が短い左手の手形が押されている。薬指が短いのは独立運動の成功を誓い切断したためだ。

 今回展示された書は、旅順地域に派遣され安重根と交流のあった浄心寺(岡山県)の住職、津田海純さんが安重根から受け取ったもの。浄心寺で保管されていたが、現住職の津田雅行さんが1997年に龍谷大学に寄託した。津田さんは「当時、住職は安重根の平和思想に感動を受け互いに厚い信頼関係を築き、書をもらった。安重根は住職以外の多くの人にも感動を与えたと聞いている」と説明した。

 この3点は、安重根義士記念事業会が殉国100周年を記念し10月に開催する予定の特別展を通じ、韓国でも公開される予定だ。安重根が書き残した書は計50点余りとされる。このうち26点は国内での保管が確認されており、残りは日本や中国などに分散しているとみられる。 

 展示会を開催した「韓国併合」100年市民ネットワークは、日本の教授や学者、市民活動家などが集まり昨年10月に発足した市民団体。展示会期間に、安重根の追悼式のほか、シンポジウム「なぜ安重根は伊藤博文を撃ったのか」も開催した。


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