球団との4年契約満了を目前にするイだが、この2年間は低調な成績に終わり、今年はスタメンも危ぶまれる。春季キャンプとオープン戦で活躍できなければ、2軍で開幕を迎えることにもなりかねない。野球人生最悪の危機を迎えているイだが、背水の陣に追い込まれた大将のように運命に身を委ねるとでもいうように、リラックスした表情を見せた。
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イが毎年冬に汗を流す、大邱のトレーニングジムを9日に訪れた。以下はイとの一問一答。
――現在自分が置かれている状況を、野球に例えるなら。
「走者満塁、ボールカウント2-0。(野球人生の)すべての勝負がかかっていることしは、球1つに運命がかかっているのと同じ。切迫という程度ではなく、大変最悪だ。過去2年は開幕戦には出たが、今はだれにも分からない状況だ。春季キャンプとオープン戦の成績によっては状況が変わる、とても重要な時期だ」
――昨年の帰国後、ことしがダメならチームから切られるなどとコメントした。弱気になっているように見えるが。
「弱気というより、それだけしっかりやらなくてはというプレッシャーから脱さなければいけないと思っている。昨年までは契約が残っているので、『自分のすべきことをすればいい』『ことしダメなら来年がんばれば』と考えていたと思う。心配しながらも、内心は契約期間が残っているおかげで『本当の終わり』という考え方が弱かったようだ。ことし1年が野球人生最大の危機だけに、過去3年間とは頭を切り替えないといけない」
――別の球団なら活躍できるはずと考えているファンが多いが。
「読売はご存知の通り、選手層が厚く、失敗は許されない。すべてが成績にかかっている。いいプレーができれば本当に幸せなところだが、できなければどこよりも冷静なのが読売だ。わたしがこの数年間良い成績を出していれば、ファンもそんなことを考えなかっただろう」
――毎年新外国人を迎えるなど、球団からの圧迫がある。原辰徳監督の信頼も変わったようだ。
「変わるのは当然だ。先に話したように、成績が良くなければいけない。2年連続で開幕戦に出場し、監督が機会を与えてくれたのに、わたしはそれを生かすことができなかった。序盤に成績が落ち、自信を失った。突然の危機に、自分でもとまどっている。肉体的なことよりも、悩みが多く心理的に問題があった」
――昨季はオープン戦では快調だったが、ペナントレース序盤に急転直下した。
「打撃感がとても良かった。内心『日本野球を平定できる』と自信を持ったほどだ。しかし、意欲が前に立ちすぎたせいか、開幕するなりバランスが崩れ、そのまま下り坂となった」
――危機脱出の突破口として、「楽しみながら野球する」と語ったが。
「実際に今は、とても楽になっている。昨年11月の帰国時には表情があまりに暗く、家族や友人たちにずいぶん心配をかけた。死ぬか生きるか、熱を入れてやらばければという思いは確かにあるが、『自分がだめなら球団が辞めろと言うだろう。辞めれば当然みじめだが、(読売での敗北を)認めよう。だめなら別の道を探そう』と考えたら、意外に気持ちが楽になった。契約期間が残っているときは、ことしがだめなら来年はがんばらないととプレッシャーが先にたったが、ことしはそれがない。圧迫から開放され、いい野球をできていたときの顔に戻れた気がする。このオフは体と心の準備がしっかりできたと、満足している」
――今季は5人の韓国人選手が日本を舞台にプレーすることになった。
「日本でもう7年目に入る。キム・テギュン(千葉ロッテ)、イ・ボムホ(ソフトバンク)ら後輩はこれから日本の野球に適応していくことになるが、(自分は)彼らよりもいいところを見せなければと思う。少なくとも試合途中で交代されたり、代打に変えられるような弱い姿を見せたくない。しっかり準備して模範になりたい。『スンヨプさんはまだ大丈夫』『見ないうちに成熟したんだ』という印象を残したいと思う」
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