経済協力開発機構(OECD)の報告書によると、韓国の昨年の家計貯蓄率は2.8%となり、統計を取りまとめた20カ国の平均貯蓄率6.1%を大きく下回った。日本の2.7%に次ぐ5番目に低い水準。
特に、韓国の貯蓄率は最大の消費国、米国にも逆転されている。米国は金融危機を受け消費を縮小し、貯蓄率が急上昇したが、韓国は貯蓄率が低いままだ。
2007年2.1%だった米国の貯蓄率は2008年に4.1%、2009年5.9%、2010年5.7%となっている。2011年は6.0%、2012年は6.1%に上昇すると見込まれる。
これに対し、韓国は2007年と2008年に2.9%だった貯蓄率が2009年は3.6%に上昇したが、2010年は2.8%に下落、2012年も2.8%を維持するとみられ、日本(3.1%)にも追い越される見通しだ。
1975年に7.5%だった韓国の貯蓄率は経済成長が本格化し、右肩上がりに上昇、1988年にはドル安・原油安・低金利の「3低好況」と夏期五輪の特需も重なり、過去最高の25.9%に上昇した。2000年に9.3%でベルギー(12.3%)に1位を明け渡すまで13年間、貯蓄率世界トップを守った。しかし、クレジットカード会社が経営危機に追い込まれる事態が発生した2002年には世界最下位の0.4%に落ち込み、2004年は9.2%まで持ち直したが、2007年からは2~3%台で推移している。
家計の貯蓄率下落は、所得増加率の鈍化や社会負担金の増加、金利の下落、消費形態の変化など、さまざまな要因が複合的に影響した結果とみられる。
企画財政部関係者は「低い貯蓄率は投資や消費余力を失わせ、マクロ経済の安定的な運営を妨げる」と指摘。「家計負債が所得より急増しており、金利上昇時に経済全般の健全性を悪化させる恐れがある」と懸念した。
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