【ソウル聯合ニュース】2011年に大きな反響を呼んだ10大ニュースを選んだ。
■金正日総書記死去
 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が「強盛大国の大門を開く」と宣言した2012年を目前に控えた17日、69歳で急死した。朝鮮中央通信など北朝鮮メディアは19日午前から「重大報道」、「特別放送」を予告。正午、金総書記が17日午前8時30分、列車内で急病により死亡したと報じた。
 金日成(キム・イルソン)主席の死亡後、1998年に国防委員長に就任してから13年、1974年に後継者に決まってから37年で金正日体制の幕が下りた。
 北朝鮮が発表した葬儀委員会名簿では、金総書記の後継者で三男の正恩(ジョンウン)氏が筆頭となった。朝鮮中央通信などは正恩氏を「偉大な領導者」「偉大な継承者」などで呼び、後継者であることを伝えた。

オ・セフン の最新ニュースまとめ

■安哲秀旋風 政界揺るがす
 安哲秀(アン・チョルス)ソウル大学融合科学技術大学院長の存在がクローズアップされ、政界を大きく揺るがした。
 ベンチャー起業家出身の安氏はソウル市長補選の世論調査で最大50%台の支持率を獲得するなど、若者を中心に絶大な人気を集めた。背景には既存政党に対する強い不信感があった。
 安氏は自らは同選挙の出馬を辞退し、支持率3%台だった無所属の朴元淳(パク・ウォンスン)氏を支持すると宣言。安氏の支持を得た朴氏は野党統一候補となり、当選を果たした。
 安氏は自身が設立した統合セキュリティーソリューション企業、アンラボ(安哲秀研究所)の株式の約半分(当時の相場で約103億円)を寄付すると発表し、一躍大統領選の最有力候補に躍り出た。しかし、安氏は「教職をしっかり果たしたい」として、政界とは距離を置いている。

■韓米FTA 国会通過
 与党・ハンナラ党は11月22日午後、野党の反対を押し切り、米国との自由貿易協定(FTA)批准案の可決を強行した。野党議員が国会の本会議場で催涙剤を投げつけたほか、与党の強行採決に抗議するデモが続いた。国会本会議場で催涙剤が使用されたのは初めてだった。

■貯蓄銀行への営業停止処分相次ぐ
 1月から計15行の貯蓄銀行が営業停止処分を受けた。来年も複数の貯蓄銀行が営業停止となる可能性が大きい。
 高い利息で預金者を増やした貯蓄銀行だが、違法融資や政界へのロビー工作などさまざまな不正が摘発された。一部の貯蓄銀行関係者は営業停止の直前に巨額の預金を引き出し、強い批判を浴びた。預金者が銀行に殺到し、取り付け騒ぎも起きた。

■2018年冬季五輪の招致成功
 2018年冬季五輪の開催地が江原道・平昌に決まった。候補に名乗りを上げてから「3度目の正直」で開催を決めた。
 平昌は7月6日、南アフリカ共和国で開催された国際オリンピック委員会(IOC)委員による投票で、95票のうち63票を獲得、ドイツ・ミュンヘン(25票)とフランス・アヌシー(7票)を大きく上回った。
 アジアで冬季五輪が開かれるのは1972年の札幌、1998年の長野に続き、3回目となる。

■福祉論争
 政界では平等を掲げる「普遍的福祉」と低所得者などに限る「選別的福祉」かをめぐる論争が熱を帯び、与野党が激しく対立した。
 国会最大野党の民主党はソウル市の学校給食の全面無料化を主張した。これを受け、当時の呉世勲(オ・セフン)ソウル市長は給食無料化の方式を問う住民投票を提案した。投票は投票率が有権者の3分の1に達せず、無効となり、呉市長は辞任した。
 普遍的な福祉はポピュリズム(大衆迎合主義)だと非難していたハンナラ党も福祉拡大と雇用創出に向けた予算の増額を進めるなど、社会全体が福祉を拡大する方向に向かっている。

■新聞・通信社のテレビ参入
 中央日報の「jTBC」、朝鮮日報の「TV朝鮮」、東亜日報の「チャンネルA」、毎日経済新聞の「MBN」の4社に加え、聯合ニュースが設立した「ニュースY」が12月1日、一斉に開局した。
 5社の開局は地上波中心の放送界を一変させるとともに、印刷媒体の衰退など、メディア業界に大きな変化をもたらすとみられる。

■記録的な大雨
 ソウル市で7月、2日間で400ミリ以上の猛烈な雨を記録し、数十人が死亡する被害が発生するなど、全国で豪雨が猛威を振るった。
 とりわけ、ソウル市では瑞草区の牛眠山で起きた土砂崩れで十数人が亡くなった。ソウル市は「天災だ」と発表したが、事故の原因をめぐる議論は続いている。この豪雨でソウル都心が麻痺し、過去10年間で最も大きな被害が出た。  

■慰安婦問題の再燃
 旧日本軍による慰安婦強制動員問題の解決を求め、市民団体「韓国挺身隊問題対策協議会」が毎週水曜日にソウル・日本大使館前で行っている「水曜集会」が12月14日で通算1000回を迎えた。
 集会では日本政府が建立中止を求めていた「平和の碑」が日本大使館前の路上に設置された。日本政府は外交ルートを通じて設置の中止を求めて来たが、韓国政府は「関与するのは難しい」との姿勢を崩さなかった。
 同月18日に京都で開催された韓日首脳会談では、李明博(イ・ミョンバク)大統領と野田佳彦首相が慰安婦問題をめぐり対立した。韓日首脳会談で韓国大統領が慰安婦問題の解決を求めたのは初めて。

■東日本大震災・福島第1原子力発電所事故
 3月に起きた東日本大震災と福島第1原子力発電所事故は韓国にも多大な影響を与えた。
 震災直後から被害を支援するための募金が全国的に広がったほか、被災者を応援する手紙などがソウルの日本大使館に殺到した。韓国政府もいち早く被災地に救助隊を派遣した。だが、日本政府が30日、独島問題を明記した中学校学習指導要領解説書に基づく教科書検定結果を発表したことで支援ムードは冷え込んだ。

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