【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)政権発足後初となる韓日外相会談が、今月末からブルネイで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)で開催される可能性が出てきた。複数の韓国政府消息筋が10日、明らかにした。
 消息筋によると韓国外交当局はARFまでに両国関係がさらに悪化しないことを前提に、日本側が提案すれば会期中の外相会談開催を前向きに検討するとのムードが出てきたという。政府当局者は「まだ決定したことはない。日本側から連絡もない」としながら、日本側から提案があれば「検討してみなければならない」と述べた。
 今月30日から7月2日まで開催されるARFでは東アジア首脳会議(EAS)外相会議、ASEANプラス3(韓日中)外相会議などが予定されている。韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官と日本の岸田文雄外相も出席する予定だ。
 今年4月に麻生太郎副総理ら閣僚3人が靖国神社を参拝したほか、安倍晋三首相が日本の過去の植民地支配や侵略を謝罪した「村山談話」の見直しを示唆したことで、日本の政治家の歴史認識に対する韓国の強い反発を受け、両国の首脳会談はもちろん外相会談や防衛相会談も開かれていない。朴政権発足後、両国の閣僚級会談としては5月に韓日環境相会談が行われたが、4月に予定されていた外相会談は靖国問題を受け直前に中止となった。今月初めにシンガポールで開かれたアジア安全保障会議でも韓国側が難色を示したため防衛相会談が実現しなかった。
 韓日首脳会談についても今年韓国で開かれる韓日中首脳会談を機に開催されるとみられていたが、韓国政府が提示した5月末の開催に中国側が応じず、韓日中首脳会談自体が延期となっている。
 しかし、北朝鮮が韓国に対話を提案して以降、北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の参加国間の緊密な連携の必要が指摘され、一部から韓日間の対話も再開すべきとの声が出始めた。
 このような中、日本維新の会共同代表、橋下徹大阪市長の慰安婦制度が必要だったとの発言が国内外から批判を受け、安倍首相や岸田外相ら主要閣僚らが橋下氏の発言は日本政府の立場とは異なると表明するなど、韓日関係改善に向けた雰囲気づくりに神経を使う様子をみせた。
 安倍首相も5月15日の国会で村山談話を「安倍内閣としても引き継ぐ立場だ」と述べ、「安倍晋三内閣として、そのまま継承しているわけではない」とした4月の発言から軌道修正した。
 ARFを機に外相会談が実現しても会談の結果を盛り込んだ発表文などを出す正式な会談ではなく、あいさつを交わす程度の短い会談になる可能性もある。歴史認識問題などをめぐる双方の事前調整次第で会談の形式が決定するとみられる。韓国政府当局者は「韓日外相が会うこと自体が重要なのではなく、何を話し合うかが重要だ」と強調した。

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