北朝鮮消息筋らによると、金総書記は生前、崔氏に正恩氏の手を直接握らせ、後継者をしっかり補佐するよう指示した。正恩氏には「崔竜海をおじのように思って頼れ」とまで言ったという。
崔氏はこれまで「張成沢の側近」として軍の実力者に台頭したと知られていた。だが、これらの話は金総書記の遺志によって崔氏が影響力を増してきたことを示唆する。あわせて金総書記が崔氏に政権保持において最も重要な軍を任せたのは、自分の死後に張氏の権力が強まることをけん制する狙いがあったとの分析も出ている。
韓国政府筋は「崔氏が張氏の側近だったことは確かだが、総政治局長になってからは2人の間に距離が生まれ、互いをけん制したようだ」と話した。
崔氏は地方の党書記にすぎなかったが、正恩氏が正式に後継者となった2010年の党代表者会議で、労働党書記、党中央軍事委員などの要職に就き、中央に進出した。さらに軍経歴がほとんどない党官僚出身にもかかわらず、同会議で軍大将となり、軍権掌握の土台をつくった。
韓国の民間シンクタンク、世宗研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)上級研究委員は「2010年に崔氏を軍大将に任命した当時、既に彼を金正恩時代の軍政治局長にする構想があったとみられる。崔氏が金総書記から厚い信頼を受けたのは間違いないようだ」と説明した。
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