韓国南西部の珍島(チンド)付近で旅客船が沈没した事故で、不適格と思われる船内放送によりさらに被害を大きくさせたという証言が相次いでいる。
生存者が事故当時、船内を撮影した動画には、60度程傾いた船体と手すりにしがみ付く乗客の姿が映し出されていた。
乗客たちが不安にさらされ救助を待つ状況で、船内放送は「客室がより安全だから、中に入って待機してください」という言葉を繰り返した。
また動画には、乗客が船体がさらに傾く中で、「学生たちが客室にいるのに、どうしたらいいんだ…」と涙声で話す場面も見られた。
このとき船体は、成人男性でさえ立っていることが困難なほど傾いた状態だった。
生存者のパクさん(16)は「船が大きく傾く中でも、ずっと客室にいるようにと放送された」と当時の状況を説明した。また、別の生存者チョンさん(42)も「多くの乗客が廊下に出ている状況で、引き続き客室に戻るよう、放送が流れた。もし、はやく客室から出るような指示があったならば、もっと多くの命を救えたのではないだろうか」と残念そうに話した。
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