沈没船への進入準備をする捜索隊=17日、珍島(聯合ニュース)
沈没船への進入準備をする捜索隊=17日、珍島(聯合ニュース)
【珍島聯合ニュース】韓国南西部の全羅南道・珍島沖で起きた旅客船沈没事故で、事故発生2日目の17日も事故現場では懸命の捜索、救助作業が続けられている。ただ、午後に入ってからは気象が悪化し、不明者探しに支障が出ている。
 中央災難(災害)安全対策本部は17日午前11時時点の死亡者数が3人増え、計9人になったと発表した。
 最終集計された乗員乗客数は475人で、179人が救助されたが、287人は安否が確認されていない。
 救助された179人のうち、101人(重傷5人)は近隣の病院で治療を受けている。
 政府、軍、警察に民間の協力も加わり、行方不明者が閉じ込められているとみられる船体内の捜索に注力しているが、気象状況が悪く、難航している。
 ◇ダイバーの船体内部への進入困難
 現場には海洋警察、海軍、官公庁、民間の船舶169隻とヘリコプター29機が投入された。
 海洋警察(283人)、海軍(229人)、消防(43人)が555人の合同潜水チームを構成し水中での捜索を行っている。
 海洋警察と海軍のダイバー20人は2人1組となり、前日から17日午前まで12回にわたり船体内部に進入したが成果を出すことはできなかった。海洋水産部は全国のダイバーを招集した。 
 しかし水中は視界が悪く、午後に入って雨も強まった。波も1.5メートルほどに高まり、ダイバーは船内に進入できずにいる。 
 ダイバーは持続的に進入を試み、潮の流れが止まる午後7時ごろ、集中捜索を行う方針だ。
 同日午後0時半に予定されていた旅客船への空気注入作業も装備確保の問題などにより、午後5時に延期になった。 
 捜索状況を聞いた不明者の家族は声を上げ、強く反発した。
 沈没した旅客船を引き揚げるクレーンは16日午後に3隻が出発し、18日午前に1隻、午後に2隻が現場に到着するとみられる。
◇急旋回が事故原因か
 旅客船が針路を変更する際に急旋回し、重心を失って沈没した可能性が高まっている。
 沈没の原因を調査中の韓国海洋警察捜査本部は、船長ら乗組員から聞き取り調査を行った結果、針路変更が事故の原因になったとみられるとする暫定結論を出したもようだ。
 事故のあった海域は木浦-済州、仁川-済州を結ぶ旅客船や船舶が針路変更を行うポイントになっている。
 警察は、急激な針路変更により、船内に固定されていた車両180台とコンテナ貨物1157トンが数秒のうちに一方に片寄り、旅客船がバランスを崩した可能性があるとみている。
◇海洋警察 船長らを聴取
 海洋警察は事故の原因を究明するため、船長ら10人を事情聴取している。被疑者として聴取を受けている船長に対しては、業務上過失致死傷罪などの適用を検討している。
 船長は聴取の前、取材陣に対し、「乗客と不明者の家族に申し訳ない」と謝罪した。
 海洋警察は中央海洋安全審判院や国立科学捜査研究院などの関係者による合同調査委員会を設置し、初会議を行った。委員会は旅客船の沈没原因が究明されるまで活動を続ける方針だ。

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