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駐韓米大使襲撃 米国で「嫌韓」高まる恐れも
【ソウル聯合ニュース】米国のリッパート駐韓大使が韓国人の男に襲撃された事件をめぐり、韓国では韓米関係への影響を懸念する声が出ている。 リッパート大使は5日にソウル市内で市民団体代表の男に切りつけられた。駐韓米大使に対するこうした深刻な襲撃は初めて。個人の突発的な行動とはいえ、同盟国に駐在する大使がテロに遭ったことになり、波紋が広がる可能性も排除できない。リッパート大使がオバマ米大統領の側近という点も、韓国の外交当局には重荷になりそうだ。 韓国の民間シンクタンク、世宗研究所の洪鉉翼(ホン・ヒョンイク)首席研究委員は「国民1人の危害に対しても黙っていないのが米国だ。米大使はある意味、米国そのもので、大使への攻撃は米国を攻撃したことになる」と懸念を示した。 しかし、60年を超える韓米同盟の磐石さを勘案すると、事件の影響は限定的との見方が大勢を占める。 別の韓国民間シンクタンク、峨山政策研究院の崔剛(チェ・ガン)副院長は「政府レベルだけでみると、韓国はもちろん米国もこの問題を個人の突発的な行動と見なし、拡大はせず、速やかに収拾しようとするだろう」と話す。 一方、民間レベルでは溝が生じる恐れがないわけではない。先ごろシャーマン米国務次官(政治担当)が歴史問題をめぐる韓国、中国と日本の対立は3カ国すべてに責任があるという趣旨の発言をし、韓国の世論の反発を招いた。今回の米大使襲撃事件では、米国内の韓国に対する世論に悪影響が及ぶこともあり得る。崔副院長は「一部の米国民の間で嫌韓感情が増幅しかねない」との見方を示した。 また洪首席委員は「対米外交において韓国政府の負担が増すことになる」と指摘する。 韓国と日本が歴史問題をめぐりそれぞれ米国に接近しようとする中、米大使襲撃事件が日本に有利に働くのではないかという観測もある。 韓国の政府系シンクタンク、国立外交院の関係者は「ワシントンでの日本との外交戦で、韓国が不利になった。しばらくは事件の影響を抑えることに外交力を集中させる必要があるためだ」と話した。 mgk1202@yna.co.kr