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民団の新たな挑戦 地域での連帯強めヘイトスピーチに対抗
【東京聯合ニュース】今年7月の参議院選挙で与党自民党と公明党は憲法改正の発議が可能な議席数を確保した。 憲法9条を変え、「普通の国」を目指すとする安倍晋三首相にとっては追い風となる結果になったものの、周辺国は日本に対する警戒を強めることになった。 安倍首相はかつてなく右傾化の歩みを強めており、韓日関係の冷え込みに伴い在日コリアン社会は厳しい状況に置かれている。 在日本大韓民国民団(民団)中央本部の呉公太(オ・ゴンテ)団長は「在日は韓国と日本のはざまで生きているため、両国関係が悪化すれば影響を受けざるを得ない。ヘイトスピーチ(憎悪表現)は暴言を超え脅威に感じるほどで、肌で感じる痛みはもっと深刻だ」と話した。 ◇韓流は失速、ヘイトスピーチ横行 韓国ドラマやK―POPに代表される韓流ブームの発信地だった日本で、韓流の勢いに陰りが見えている。 韓国アイドルの日本公演の回数が減り、主要テレビ局で放映されていた韓国ドラマは昨年ごろから鳴りを潜めている。テレビ番組からも韓国アイドルの姿が消えた。 韓国文化産業交流財団関係者は「嫌韓デモなどの影響で熱烈な韓流ファンだった主婦や若者が離れてしまった。この雰囲気だと両国関係が改善してもかつてのような韓流ブームが再び起こるかは分からない」と指摘した。 東京都心の大手書店では韓国を卑下、差別したり反韓感情をあおったりする内容の嫌韓出版物が陳列されている。 龍谷大の権五定(クォン・オジョン)名誉教授は「日本で排他主義が勢い付いたのは『失われた20年』と言われる長期不況で格差が広がったことや中国の台頭、自信の喪失、東日本大震災による不安の増幅、メディアの権力に対する批判機能の低下が背景にある」と分析した。 ◇活気失った新大久保コリアンタウン 東京・新大久保のコリアンタウンといわれるエリアは、以前は韓国関連の店が連なりにぎわっていた。 しかし、2011年をピークに売り上げが減り閉店する店が相次いだ。 店の経営者らは李明博(イ・ミョンバク)前大統領の独島訪問が韓日関係の悪化につながり店の経営に影響したと不満を口にする。 500店以上あった韓国関連の店の3割強が廃業したという。 在日コリアンの経営者らは政府のせいばかりにしていられないとして自助努力を続けている。 新宿韓国商人連合会の呉永錫(オ・ヨンソク)会長は「3年前からコリアンタウンで韓国映画祭を開き、観光案内所設置やシャトルバス運営などさまざまな試みを行っている」と説明。東日本大震災や今年、熊本地震が発生した際には食料品や寄付金を届ける活動をしたという。 ◇民団、市民社会と交流拡大 政治・外交面における両国関係の冷え込みは続いているが、目に見える関係が全てではない。 権名誉教授は「反日と嫌韓に代弁される両国のあつれきは社会全体の雰囲気というよりこれを利用しようとする保守団体や一部の政治勢力が扇動しているだけ。実際には、両国の交流に変化はなく関係は続いている」と主張した。 呉団長は「ヘイトスピーチを主導する特定集団に強く対応することも必要だが、ともすれば感情的な争いになり不信がさらに深まる。多文化共生に向け、まずは韓国に対する親近感を広めるため友好的なムードをつくることに集中している」と話した。 呉団長は、両国親善の象徴と言える朝鮮通信使の記録物を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録するため、民団も積極的に協力していると説明した。 民団青年会の朴裕植(パク・ユシク)会長は「ヘイトスピーチの被害者は在日コリアンだけでなく日本社会を構成する全員だ。人種差別や歴史修正主義を許さない市民社会との連帯を青年会が中心になって進めている」と話した。 民団や青年会はヘイトスピーチ、人権、歴史認識、多文化共生などをテーマにした公開講座を開催し、正しい情報を日本人と共有する機会を設けている。