【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件で、崔被告ら3人の事実上の初公判となる公判準備手続きが19日午後、ソウル中央地裁であった。出廷した崔被告は朴大統領と共謀した事実がないとして、起訴内容を全面的に否認した。公判準備手続は正式審理に先立ち、裁判の争点や立証計画を整理するためのもので、被告には出廷義務はなく、前青瓦台(大統領府)政策調整首席秘書官の安鍾範(アン・ジョンボム)被告と前青瓦台秘書官のチョン・ホソン被告は出廷しなかった。崔被告は「628」の番号がついた収容者のための服を身に着けて現れた。収監後に崔被告の様子が明らかになったのはこれが初めてとなった。 崔被告は「ドイツから戻ったときはいかなる罰も受けるつもりだったが、早朝までたくさんの取り調べを受けた。もう(裁判で)正確に明らかにしなければならないと思った」と悔しさをあらわにした。崔被告が10月30日に帰国した際、弁護人を務める李ギョン在(イ・ギョンジェ)弁護士は当時、「崔氏が国民に挫折や虚脱感を抱かせたことについて深い謝罪の意を示した」と伝えた。翌31日には検察に出頭し「国民のみなさん、許して下さい。申し訳ございません。死に値する罪を犯しました」と述べたが、心境に変化があったものとみられる。 崔被告は公判で主な疑惑について、「知らない」と一貫して否認する可能性が高い。共犯とされる朴大統領にすべてを押し付けることもあり得る。李弁護士は「大統領と共謀した事実がない」とした上で、「前提になる共謀がないため、罪は認められない」と主張した。  国政全般にわたる崔被告の不正は少しずつ明らかになっている。崔被告は政府高官の人事案を発表前に入手し、修正して朴大統領側に伝達していた事実が特別検察官チームによって先ごろ確認された。これまでも検察による捜査により、崔被告が首相、監査院長、国家情報院長、閣僚などの人選に関与していた事実が明らかになっていたが、具体的に名簿を修正し、直接の影響力を行使していたことが新たに明らかになった。崔被告が送った修正案は実際に発表された人事とほぼ一致したという。特別検察官チームは同問題に関する内容を含むファイルを確保している。崔被告をただの助言者とみることができない理由がまた増えたことになる。 崔被告と弁護人は世論が厳しいことを認識しているものとみられ、一般国民が陪審員を務める国民参加裁判による審理を拒否した。検察は崔被告による国政介入を明らかにしたが、特別検察官チームはさらに具体的な事実関係に基づき、不正の真相を明らかにする必要があるだろう。
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